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麻酔科の医局は私1人。
もともと書き上げてしまう予定だった論文の不備が見つかったので、それを佐伯先生に相談するために残っただけだから当たり前だ。
ディスクに向かって作業しようとしたけど、どうしてもやる気が出ない。
気分転換に一服しようと外に出る。
私がたばこのために向かうのはいつも旧病棟の敷地。
ほんとはいけないけど、患者はおろか今のスタッフもここにはなかなか来ないので歩きながら楽しむ。
少しずつ風に夏の香りが混ざってきて、
あたたかい風と肌にからみつくような空気を全身で感じる。
ゆっくり歩いていると、後ろから近づいて来る足音がしてした。
「…歩きタバコは、禁止ですよ。」
「見逃してよ、ケチ。」
一言いってからそのまま私を抜かして進んでいく。
10メートルぐらい離れたところで立ち止まり、こちらに振り向いた。
「もう一本付き合ったら見逃してやるよ。」
「はいはい。」
そのまま前を向いて進んでしまう彼に返事をしてその背中についていく。
追いついた先は、旧病棟の池の前だった。
「火、くれ。」
ポケットからライターを取り出して火をつけてやると、綺麗な仕草で紫煙をはいた。
「お前、まだやってんのか。」
「たばこ？辞めれないけど。」
自分も1本咥えて火をつけるゆるく煙が上がるのを見て息を吐いた。
「違えよ。不倫。」
「してないよ。あれ以来。」
「今日は？」
「論文見てもらっただけ。」
「あそ。」
興味なさそうにしてるけど、興味津々。ほんとは聞きたいけど、聞かない。
男の意地？女の見栄？違う。
それが私たちのオトモダチとも言えない関係。
「…も、やめよっかな。」
「タバコ？無理だろ。」
「違うよ。……やめよ。」
お互い、感じてる。
相手にちゃんと恋してること、相手も自分に恋してること。
2人とも、思ってる。
いつまでも、こんなことやってられないこと。
「やめよ。」
もう一度、煙を吐き出す。
「…。」
こういう時に黙るのはズルいでしょ。
それからお互い黙って吸い続けた。
１本終わったとき、彼が言った。
「やめるか。」
「…うん。」
「お前、二宮やめろ。」
驚いて横の彼をのぞくとニヒルな笑みを浮かべていて。
「間抜け面もやめろ。」
でも優しい顔でもう一度、
「結婚したい、Aと。」
「世界一雰囲気のないプロポーズだね。」
「好きだろ？お前。」
「〜〜っ、好き。」
「はい、決定〜。」
どちらも、知ってた。
この人逃したら、一生後悔するってこと。
-Belief On The Hospitality→←Hospital
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ななこ(プロフ) - 多恵子さん» 本当ですね！全く気付きませんでした！ご指摘ありがとうございます！！恥ずかしい限りです、 (2018年7月27日 18時) (
レス) id: 7d83a297de (このIDを非表示/違反報告)
多恵子(プロフ) - お節介だと思うんですけど…ニノの漢字が違いますよ！二宮和也です！ (2018年7月15日 7時) (レス) id: 2178e0ef46 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。外しました。以後気をつけます。 (2018年7月6日 1時) (レス) id: 7d83a297de (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年6月28日 15時) (レス) id: fba24e7b67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななこ | 作成日時：2018年6月28日 15時
