Hospital ページ4
「いや、俺は…」
「からかってごめんね？あまりにも可愛くて。」
可愛らしい笑顔のはずなのに、どこか恐怖を与える違和感が俺の体を固くした。
彼女から目を逸らせない。
まるで蛇に睨まれたカエルのような、そんな気持ち。
対面する彼女と俺の沈黙を破ったのは、低く心地の良い声だった。
「雅、どこに行ったのかと思ったら。」
声の主に反応して、二宮先生が俺から目線を外す。
「佐伯先生。医局に立ち寄ったら世良先生がいらっしゃったので、少しお話を。」
「世良、渡海はどうだ？」
「え、はい。えっと。」
「教授の前では話しにくいと思いますけど？」
二宮先生はにこやかに声の主、佐伯教授に返すとすぐに立ち上がってその隣に並んだ。
「じゃあ世良先生、頑張ってね。」
「はい、」
佐伯教授が俺に背を向けて教授の部屋に向かう廊下を進み出すと、
彼女は魔女のような笑顔で、口元に人差し指を立てた。
俺は2人の姿が見えなくなると、
医局に引き返すために廊下を進んだ。
「…マジか、あの人…。」
小さい声で呟いてしまった一言は暗い廊下に消えて行った。
医局に戻ると、珍しく渡海先生が俺がいたソファに座っていた。
「どうだった？」
いの一番にそう聞かれて、俺はなんのことかわからなかった。
「なんのことですか？」
「Aと寝たんだろ？俺のいねぇところで。」
「ち、違いますよ、ただ飲み物をいただいただけです。ほら。」
ニヤニヤという効果音がつきそうな顔をしているに違いない。
「Aは？」
「え、それは……わかりません。」
渡海先生はそんな俺をみて、少し考えた後口を開いた。
「佐伯教授のところか。」
「！」
「アタリか。」
いかんせん昔から嘘がつけない性格だった。
今回も顔に出てしまったのだ。
でも、渡海先生は彼女のことどれくらい知っているんだろう。
「アイツ来たら、帰れって言っとけ。」
心なしか仮眠室へのドアを雑に閉め、鍵をかけてしまった。
それから全く集中できなくて、仮眠を取ろうとソファに寝転がった。
すると医局の外からヒールの音が聞こえてくる。
その音は仮眠室の前まで行くと、ドアノブをひねって、開かないことを確認した。
「あの、二宮先生。渡海先生が、帰れって…」
「世良先生…。そう言ってた？」
もう一回ドアノブを回すと、諦めたように体の向きを変えた。
麻酔科の医局にいるから、とまた心臓外科の医局を去って行った。
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ななこ(プロフ) - 多恵子さん» 本当ですね！全く気付きませんでした！ご指摘ありがとうございます！！恥ずかしい限りです、 (2018年7月27日 18時) (
レス) id: 7d83a297de (このIDを非表示/違反報告)
多恵子(プロフ) - お節介だと思うんですけど…ニノの漢字が違いますよ！二宮和也です！ (2018年7月15日 7時) (レス) id: 2178e0ef46 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。外しました。以後気をつけます。 (2018年7月6日 1時) (レス) id: 7d83a297de (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年6月28日 15時) (レス) id: fba24e7b67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななこ | 作成日時：2018年6月28日 15時
