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「『いただきまーす！！』」
今日の夕飯は優太くんの好きなそば、ではなく
おばさんの得意料理だと言うハンバーグだった。
『…！おいしい…っ！』
得意料理と言うだけあってほんとに美味しくて、
もはやお店のものより美味しい気がした。
優「おばさんのハンバーグはまじでピカイチなんだよな〜〜！引っ越してきた時も1番好きだったわ」
「嬉しいこと言ってくれんじゃない！
ほらAちゃんもいっぱい食べて！」
『あっ、ありがとうございます、！』
優しくて明るい家庭。
優太くんのご両親もそうだけど、やっぱり優太くんの家計はみんな明るくて楽しくて、
みんなこんな感じなんだろうなぁ、と思う。
一緒にいて落ち着く、
まるでここが自分の居場所だったらいいのに、と考えてしまうような温かさがある。
私はこの温かさと空気が、昔からずっと好きだった。
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「Aちゃん！」
優太くんがお風呂に入ってる間、
おばさんに呼ばれて、さっきの洗い物の手伝いをする。
『おばさんはずっとこっちに住んでらっしゃるんですか？』
「そう。優太もちっちゃい頃はよく遊びにきてくれて、大阪観光をよくしたりしてたの。
…でもやっぱり引っ越すのは最初はもの凄く嫌がってたみたいでね、」
『…え、そうなんですか？』
中三の夏。
私に、大阪に引っ越すことを告げた時、
優太くんは引っ越すことを嫌がってる素振りはなかったのに。
「…大切な女の子がいるからって。
親をめちゃくちゃ説得しようとしてたみたいなんだけど、まだ中学生の優太を東京で一人暮らしさせる訳にはいかなくてね。
仕方なく、優太もって形になったの。
その大切な女の子って、
Aちゃんのことだったのかしらね、」
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その言葉を聞いて、
胸がじわっ、と熱くなるような感覚がした。
あの時、
優太くんは何もためらってるような素振りはなかった。
…けれど、本当は引っ越すのが嫌だった？
"大切な女の子。"
ご両親を説得しようとしてくれていたのは、
…私のため？
あの頃から、
優太くんは私のことをちゃんと考えてくれていたんだ。
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あの頃からずっと、私の優太くんの想いも、
優太くんの私への想いも。
何も変わってなどいなかったのだと、
水道水が流れる音の横で、静かに考えていた。
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ななせ(プロフ) - ななみさん» 嬉しいです！！これからもっと面白く出来るように頑張ります！ (2020年4月18日 20時) (
レス) id: e113544416 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - はじめまして。読みはじめてから、どんどん話に引き込まれて、ここまで一気に読ませて頂きました。先が気になります！更新楽しみにお待ちしております。 (2020年4月18日 20時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - かほさん» 嬉しすぎます、、！これからもう少しだけ重くなる予感がするんですけどお楽しみにしていてください！笑 (2020年4月13日 22時) (レス) id: e113544416 (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - ふーみんさん» 全話読んでくださってありがとうございます！これからもお楽しみに！(^ ^) (2020年4月13日 22時) (レス) id: e113544416 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 初めて読みましたが非常に面白いです！こういう重いの大好きです！(笑)これからも楽しみにしております〜〜 (2020年4月13日 17時) (レス) id: 43e673b672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななせ | 作成日時：2020年2月8日 19時
