未完成

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それからの毎日は、ほんとに幸せやった。


毎日登下校は一緒にして、おはようのキス、バイバイのキスは俺らの暗黙のルールみたいになった。





週末は2人でどっかに出掛けて、思う存分イチャイチャして、
俺が彼女を求めれば求める程、彼女も俺を求めてくれていた。







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だから、幸せすぎて忘れかけていた。

いや忘れてたというよりかは、思い出さないようにしとっただけなのかもしれないけれど。




…彼女が本当に好きなのは、俺じゃないことを。







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ある日の帰り道、少し肌寒くなってきた季節の中でAと手を繋いで歩く。

いつも通りの、幸せな日常。



…やったのに。





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『…あれ、なんかうちの家の横に引っ越し屋さんのトラック止まってない？』
廉「あ、ほんまや、誰か越してきたん？」




俺たちの住宅街の横に止まる、大きな引っ越し屋のトラック。

積み込まれた荷物を、業者の人が淡い紫色の家の中に運んでいくのが見えて。




…嫌な予感がした。
まるで虫唾が走るような、気持ち悪い感覚。






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「…あっ、A！廉！」


その家の中から出てきた、ダル着に身を包んだ俺らのもう1人の幼馴染み。







…なんで、なんで今戻ってくるん？








『…ゆう、たくん、…？』


ただただ今の俺にとっては、目障りなだけやで。
…邪魔、せんでや。







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