未完成

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『…あ！花火！』



夜空をしばらく2人で見つめていれば、

突然空に鮮やかな花火が大きく打ち上がった。







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廉「…綺麗やな、」


ベンチに座る俺とAを、淡く儚い光が照らし出す。

隣を見れば、花火を見るAの横顔があって。
…花火よりも綺麗や、なんてキザな言葉が浮かんできた。







…ずっとこの時間が続けばええのに。

優太が帰ってきたら、君は俺じゃなく優太を選ぶのだろうか。


俺が弱みに漬け込んで、優しさから付き合ってくれただけ。
ただそれだけやから、優太を選ぶのは当たり前なのは分かっとる。




でも、味わってしまった君との優しく甘い時間を手放すのはどうしても怖くて嫌だと思った。



ずっとずっと望んでいた、Aとの"2人きりの時間"が俺を余計に欲張りにする。





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廉「…なぁA、この先もずっと俺を一人ぼっちにせんって約束してくれる？」





ほらまた、こうやって俺は君の良心に漬け込んででも
君を傍に置いておきたかった。








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