未完成

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優太くんがこっちに引っ越してきて、数日が経った。

お互い忙しくて中々おかえりパーティーはできないままで、優太くんは私と廉のいる3組の隣の、4組になった。




優太くんと顔を合わせることが少なくて、
心做しか、少し安心していた。







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廉「ごめんA、今日委員会入ってしもうたから先帰ってて？」

『そうなの？わかった、』

廉「気ぃつけて帰るんやで？家着いたら連絡してや」





そう言って私の頭にポン、と彼の大きな手が乗る。


過保護だなぁ、と思いつつ、可愛いなぁとも思う。
愛されてるんだ、と心の底から感じられる瞬間。


廉からのこの愛があれば、…私は幸せだよね？








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『…うっわ、』



放課後、外にでてみれば土砂降りの雨が降っていた。

天気予報で雨は降らないと言っていたから今日は傘を持ってきてないのにな、ついてない。
…仕方ないから鞄で雨をガードして帰るか。




そう思って、土砂降りの雨の中に1歩踏み出した時





「…ちょっ、おい！濡れるぞ！」




グイッて誰かに腕を引かれて、その人が指していた傘中に引っ張られた。







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顔を見なくてもわかる。
この優しい声と、匂いと、温もり。





『…優太くん、』

優「傘持ってないの？ダメじゃん雨の中飛び込んじゃ！風邪ひくって！」




昔から変わらない、心配してくれている顔。




…なんで。私ははあなたを忘れようとしているのに。
あなたへの気持ちに蓋をしたいのに。




どうしてそんなに、優しくしてくれるの？









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