君想い～短編集～ 2 (ページ5)

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偽愛ー日向翔陽ページ5

たとえ片思いでも、そばにいれたらいいと思っていた。

たとえその目が、自分のすぐ隣を見ていようと。

影山「お前ら、付き合ってんのか……」

バレー以外に無関心な影山が、初めて見せた、バレー以外でする悲しい顔。
ちょっと複雑だけど、俺は悲しくて嬉しかった。

俺とAが付き合ってると知って、絶望的な表情をする影山が嬉しかった。

だけど、そんな顔をするくらいAを好きな影山が悲しかった。

日向「…おう。付き合ってる。」

Aから好かれているという自信まで奪っていったくせに、

影山「……バレー以外も負けねえからな。」

Aまで奪っていくつもりの影山に、腹が立つ。ムカつく。

日向「影山に、付き合ってるって言っちゃった…」

A「…んー、いいんじゃない？」

なんで言ったんだって怒るかと思ってたけど、以外にもすんなり受け入れられた。
けれどいつもの笑顔は見れなくて、どんどん悲しい表情に変わって、

日向「A…？」

ついにAは立ち止まった。

正直こうなるのは薄々分かっていた。
好きでもないやつと付き合ってるのが、本当に好きなやつにバレる。
きっと影山は、俺とAが両思いだと思ってるんだろうし。

それが好都合で俺は口走っちゃったんだけどな…。