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月島「…僕無愛想だから緊張するよね。」
A「それは全く違うの!!!」
月島「っ、じゃあ何…」
いきなり声を張り上げられてビクリと肩を揺らしてしまう。
数秒固まり目を丸くしたかと思えば、また俯いてしまった。
A「…前の試合の時から……か、かっこいいなって思ってたから…は、恥ずかしいんです、緊張するんです……うわぁ…」
自分で話しておいて「うわぁ」なんて言うもんだから、思わず口角を上げてしまう。
小さく笑う僕を見て
A「笑った顔も、素敵です…」
なんてモゾモゾと言われて、僕まで顔を赤くしてしまう。
月島「それはどうも……じゃあ、これお願い。」
左手を差し出せば、手首を握ったまま、また固まってしまった。
A「す、好きな人の手なんか触れない……恥ずかしくて…」
月島「…それ、もう触ってるけどね。」
好きな人、と完全に言ってしまっていることには気づいていないので、なかったことにしよう。
そう思い、既に触れていることを指摘すれば、意を決したかのように手当を始めた。
A「お、終わったよ…」
月島「全然痛くない…ありがとう。」
お礼を言えばまた顔を赤くしてしまう。
でも、嬉しそうにニッコリと笑えば保健室の使用履歴の紙に、時間やら名前やらを記入していく。
月島「僕の名前書けるんだね。」
A「…んふふ…」
褒めたつもりは無いけどにんまりとした笑みを見せる彼女は、本当に単純思考なんだろうなという程表情に出やすい。
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作者名:七蛍 | 作成日時:2019年7月24日 23時