君想い～短編集～ 2 (ページ15)

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休みの日だからか先生はいない。
保健室に入り使用中の札をつければ、中に入って指を押さえて立つ僕に

「あ、座ってください！」

と元気よく声をかける。

緊張からだろうか、あたふたしながら必要なものを集め、いちいち声が大きいしちょっと手が震えてる。

月島「あの……失礼ですけど、名前って」

A「Aです！！」

すごく食い気味に返答し、勢いよく振り返って目を見られれば、僕もなんだか緊張が移ってしまって目を逸らしてしまう。

月島「何年生ですか」

A「んと…一年、です」

月島「…なんだ、一緒か」

ようやく緊張が解けたのか、静かなトーンで喋ってくれるようになった。

空いた窓から気持ちいい風が入り込めば、彼女の少し長い前髪が揺れて顔がはっきり見えた。

…え？顔真っ赤？

月島「ちょっと、熱中症じゃないの？顔赤いけど。」

A「え！？こ、これは！！違いまして！！」

見ないで、と顔を手で覆ってしまうも、耳まで真っ赤にしてしまってバレバレだ。

そしてその態度を見て何となく察してしまう。

月島「…Aさん、なんか照れてるの？」

A「う、うーん……そう、です…あまり見ないで…」

モジモジと気まづそうに僕に近づいて俯いてしまう。
僕がすぐ上を向けば、彼女の顔なんか簡単に覗けてしまう。