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牛島「A、試合に行ってくるぞ。」
A「うん、頑張ってね。」
牛島「…そうだ、俺だと思って抱いてろよ。」
A「バレーボールだ。若利くんにしては丸すぎるよ。」
牛島「…ふっ、まあそうだな。」
A「ねえ若利くん、
愛してるよ。」
牛島「…俺もだ。」
A「…さきにいってよ。」
牛島「思えば、いつもお前からだったな…すまない。
愛しているぞ。」
俺が会場についてすぐ、Aは亡くなった。
最後まで、ずっとバレーボールを離さなかったらしい。
その日の試合の結果は"勝ち"
自分に腹が立つくらい、試合中はなんの邪念もなかった。
負けるわけないと言ったじゃないか。
お前も、俺も。
ヤマなんて嘘だったはずなのに。
愛してるなんて、ずるいじゃないか。
バレーしか知らない俺に、お前といることの幸せを教えておいて、
さきにいくなんてずるいじゃないか。
今なら"さきにいってほしい"という気持ちがよくわかる。
さきにいけばよかった。
「愛しているぞ、A。」
ー先に逝ってー
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作者名:七蛍 | 作成日時:2019年7月24日 23時