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『可愛くさせて、って……。え?』
俺の言葉に、明らかに混乱するA
そりゃそうだよな…
「急にごめん。ただ、どうしても我慢できなくて…」
『ますます意味がわからないんだけど?』
この状況を理解することを放棄したのか
Aは気だるげに髪を弄っている
はぁ〜とため息までつくAに少しだけイラッとしたのは、心の中に閉まっておこう
「お前も知ってると思うけど、俺はコスメ好きで、試す相手がいない。だから……」
俺が言いたいことを察したAの表情が、青白くなっていく
そして、俺が次の言葉を発する前に
『やだ!!』
と一言
『わ、私でメイクするって、なんかつまんなくない?ほら、私って可愛くないし。それなら、クラスの女子とかにした方が…』
顔を赤くして、明らかに狼狽えるA
色々とツッコミたいところがあるんだが…
「学校の誰にもバレたくねぇからこそ、Aに頼んでるんだけど…」
『いや、え、でも…』
どうやら、納得してくれない様子
こうなったら、"アレ"を使うしかないな…
「わかった、A」
俺の言葉に、Aは顔を上げた
まだ少し赤い顔を見ると、やはりドキドキする…
でも、これも趣味のため…!
俺は決意を固め、口を開いた
「アニ○イトで2000円、何でも奢ってやる!」
『へ……?』
Aは、間の抜けた顔をした
そして、慌てて真顔に戻る
写真撮っとけば良かった…と思ってしまう自分を叱りつける
この短時間で、どんだけAに首ったけになったんだよ!
改めてAを見ると、迷ったような顔をしている
そりゃ、金に代えられないような願いだからな…
と思っていると、Aが少し口を動かすのが見えた
けれど、声は何も聞こえない
「なんか言ったか?」
『ええっ!?別に、何も言ってない…けど…』
「……そうか」
なんか気になるな…
まぁ、気にしすぎも良くないか
『っ……いいよ』
「………え?」
今、なんて?
『だから、メイクの実験台、引き受けるってこと!』
「ほ、本当か!?」
『本当、だけど…約束、忘れないでね!』
「もちろん!ありがとう、A!」
俺は急いで頭を下げた
今日は金曜日だし、やるとなれば明日かな
俺はもう、そわそわしっぱなしだった
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匿名 - これって、元々ある漫画のパロディじゃないですか…?すっごい設定とか似てると思ったんですけど…。 (2023年2月10日 18時) (レス) @page21 id: d3174281bc (このIDを非表示/違反報告)
東雲ゆあ - この作品最高すぎ。まじで、さとみくんと幼馴染になれる世界線どこっ?! (2022年12月19日 22時) (レス) id: 05b9c5bfff (このIDを非表示/違反報告)
さとみ大好き人間 - 大好きです これから頑張ってください (2022年7月3日 8時) (レス) @page13 id: 50ac0cd8e0 (このIDを非表示/違反報告)
星奈(プロフ) - わぁ…すごい…この作品大好きです! (2022年5月28日 16時) (レス) id: 91cc59a311 (このIDを非表示/違反報告)
あいみ(プロフ) - 初コメ失礼します!続きがめっちゃ気になって、楽しみです!更新頑張ってください! (2022年5月28日 15時) (レス) @page8 id: 2cf40cafe5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃ。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/greentea/
作成日時:2022年5月15日 19時