陰キャ幼なじみを可愛くしてしまった【桃】

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久しぶりに近くで見るさとみの顔

中学校のときと違って、小麦色に焼けた肌

そして、少し跳ねた髪

その全てが、愛おしく思える

"ねぇ"

"長い間、関われていなかったさとみと関わる理由ができるのなら"

心の奥底にいる自分が、語りかけてくる

"少しだけ、臆病な心を仕舞って

勇気を出してみてもいいかな？"

私自身への、問いかけ

このチャンスを逃したら、また寂しい日々が戻ってきてしまう

そんなのは嫌、だよ…っ

私はそう答える

"なら＿＿"

答えはもう、決まっているよね？

『っ……いいよ』

「………え？」

今度はさとみが、間の抜けた顔をする番だった

少し笑いそうになるのを堪えながら、『だから、メイクの実験台、引き受けるってこと！』と言う

「ほ、本当か！？」

さとみ、嬉しそう

思わず顔がほころぶ

喜んでもらえて、私も嬉しいな

『本当、だけど…約束、忘れないでね！』

引き受けた事が、なんだか恥ずかしくなって

まるで、奢ってもらうのが目当てのような発言をしてしまう

まぁ、2000円も奢ってもらえるのは確かに嬉しいけど…

「もちろん！ありがとう、A！」

さとみが心底嬉しそうな顔をして、頭を下げる

『っ………！』

つい、顔が赤くなってしまう

頭から、今の笑顔が離れない

今の顔…めちゃくちゃカッコいい…っ

普通に会話してる時でさえ、こんなにドキドキするのに

メイクなんてしてもらった日には私、○んじゃうかも…！

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