永瀬くんの非リア脱出講座！ (ページ41)

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みんなでスタバで話した後は、ショッピングモール内をのんびりと歩く。

あの後、スタバで「私たちには絶対タメ口でいいよ」って言ったとき、ゆっきーが「ありがとう」って言ってくれて本当に嬉しかった。

ゆっきーは、めちゃくちゃいい子だ。
何でこれまで仲良くなろうとしなかったんだろう、って思うと不思議なぐらい。

私も前は地味女子だったから、大人しくて地味なゆっきーのこともすぐに分かった。
本当にゆっきーと仲良くなりたいなぁ、としみじみと感じた。

「この雑貨屋さん可愛い！」

私がそう言うと、陽奈が慌てて私の方に来る。
その後に、ゆっきーと永瀬くんも続く。

「これとか、ゆっきー似合うんじゃないかな？」

私が指差したのは、大ぶりの紺のリボンが付いたバレッタだ。
うちの学校は校則がゆるいから、絶対に問題ないだろう。

「これ、助けてくれたお礼にプレゼントするよ！よかったら付けてくれたら嬉しいな」

と言って、私はレジを済ませてきた。

「申し訳ないよ…」

と言うゆっきーに、

「助けてくれたお礼だから！」

と、私は微笑む。

「さっそく付けてみたら？」

と永瀬くんが提案するので、ゆっきーはバレッタを付けてみることにしたみたいだ。

「似合ってるかな？(笑)」

と、ゆっきーは何だか恥ずかしそうにしている。

「普段おしゃれなんかしないから、何か新鮮だなぁ」
と言うゆっきーが、可愛くて仕方なかった。

「眼鏡からコンタクトに変えたら、もっと可愛いんちゃう？」

と、いきなり後ろから永瀬くんがアドバイスしてくる。

「さすが、モテモテマイスター！」

と永瀬くんの耳元で茶化すと、

「聞こえたらどうするんや、あほ(笑)」

と、永瀬くんはちょっとだけ焦っていた。

そんな永瀬くんに何回もときめいている私は、ようやく自分の気持ちが分かったみたいだ。

もう迷いなんてない。

私が好きな人は、関西弁でちょっとだけ不器用な人なんだ。