永瀬くんの非リア脱出講座！ (ページ40)

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「わー、こんなの初めてです！」

十河さんが笑顔でそう言う。
口調がいつもより何だか幼いのが可愛い。

「はしゃぎすぎちゃってごめんなさい！同級生の子と遊びに行くの初めてで…、ついついはしゃぎすぎちゃいました！」

慌てて十河さんが謝ってくる。

「わいわいしてた方が楽しいから、全然謝んなくて大丈夫なのに～！むしろウェルカムだから！」

と、陽奈はいつも通り姉御肌だ。

「女子みんな仲ええなぁ(笑)」

と、永瀬くんも笑っていた。

「せっかくやから、あのショッピングモールでも行くか？」

との永瀬くんの提案に、

「いいね！」

「それが1番でしょうが！」

と、私と陽奈が返答する。

「そういえばさぁ、十河さんの下の名前って何っていうの？」

私がそう訊くと、

「悠希(ゆき)っていいます。十河悠希です」

と、十河さんが恥ずかしそうに答える。

「悠希って名前の響き可愛い！ゆっきーって呼んでいいかな？」

私がそう言うと、

「はい！」

と、元気そうに十河さん、じゃなくてゆっきーが笑う。
その無邪気な笑顔がやっぱり可愛い。

私たち4人はショッピングモール内のフードコートにやって来た。

「やっぱスタバだよね～」

「そうやねー」

と、のんびり会話しながら4人用の席に座る。

みんなそれぞれ、ドリンクやサイドメニューを買って、会話できるようにスタンバイした。

「そういえば、ゆっきーって何で敬語で喋るの？」

陽奈がそうズバッと訊く。

「敬語で話さないと不安になるっていうか…、みんな私よりすごい人ばっかりで、自然と敬語になっちゃうんです」

ゆっきーはそう答える。

「地味で目立たない私が、みなさんと一緒な立ち位置にいられるわけないですから…」

ゆっきーがそう苦笑いしたとき、突然、私はこう言い放った。

「地味で目立たなかったの、私もだよ。だから、仲間だって思って」

それを聞いたゆっきーが安心そうな顔をしていたから、私も安心した。