衝戟-1 ページ32
『パンダ…』
オジサンの元で一緒に育ったパンダ。
大きくなった彼が、横たわっていた。
傍を見ると、真希ちゃんと呪言師の子。
息はある。
でも真希ちゃんは危うい。
どうしよう、他者に反転術式は使えない。
簡単な応急処置をしようと近付くと
里香ちゃんがやってきて、3人を連れて行った。
『…私も連れてって欲しかったなぁ』
でもおかげで彼らが何処にいるか、これで分かった。
・
乙骨が夏油を殴り飛ばした。
そんな場面で到着したAは唖然とした。
『わぁ、ビックリした』
「えっオダさん!?」
驚きの声を上げた乙骨。
そしてもう1人、夏油は声も出なかった。
何故ここに彼女が。
「…オダ?安直な偽名だね、A」
『そうやってすぐバラすとこ、意地悪だよ傑』
乙骨には聞き覚えがあった。Aという名前。
五条から度々洩れていた名前だった。
「(オダさんが、Aさん…)」
『憂太くん』
「は、はい!」
『一旦反転術式の方に集中して貰いたいの、頼めるかな』
真っ直ぐ見つめられる。
乙骨は頷いて、後ろに下がった。
「良いのかい?彼を下げても」
『良いワケないじゃん。でも、こうしたいと思ったからしたの。
お父さんじゃなくて、自分の望みを叶える為に』
真剣な眼差し。Aが本気なのは、ひしひしと感じていた。
「青春の続きといこうか」
冷や汗が両者の頬に伝う。
湧き出る呪霊。
それを1体ずつ倒すA。
合間から飛び出す夏油の足蹴りも避けながら
着実に減らしていった。
「呪霊じゃ意味無いか」
『待ってたよ。そうこなきゃ』
生身の戦いが始まった。
先日の五条とAの戦いとは違う。命のやり取り。
『可笑しいな。今までこうゆうのは嫌いだったのに、
少し楽しく感じるんだよ』
「奇遇だな。私もだ」
2人から笑みがこぼれた。
「Aは私の考えを協賛はせずとも、理解してくれると思っていたのだが」
Aの左肩に一撃。
『理解と行動は比例しないってことだよ』
夏油の頬に打撃が入る。
理解はしたんだ、と彼は笑みを深めた。
「嬉しいね」
そう言いながら呪具を取り出した夏油。
『…そりゃないよ、傑』
Aは丸腰だった。
「私の本命は乙骨なんだ。Aに付き合ってる暇はないんでね」
やばいな、と彼女は小さく呟いた。
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1 - 泣きそうで😭感動モノがあって、呪術廻戦見ているからわかる場面もあって本当にありがとうございます🙏これからも頑張ってくださいね❗✌️ (11月5日 8時) (レス) @page36 id: 053afa639a (このIDを非表示/違反報告)
ましろ@桜川奈々(プロフ) - amroさん» コメントありがとうございます!まさかamroさんからコメントいただけるとは思わず感激しております…!応援ありがとうございます。私も陰ながらご活動応援しております。 (2021年9月6日 22時) (レス) id: aa54ca032f (このIDを非表示/違反報告)
amro(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。検索からこちらの作品で出会い一気に読み終えてしまいました。大好きなさしす組と主ちゃんの関係がとてもよくて最後は涙腺崩壊でした…。素敵な作品を拝ませて下さりありがとうございました!これからもご活動応援しています! (2021年7月28日 9時) (レス) id: 18748080be (このIDを非表示/違反報告)
桜川 奈々(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!涙腺を刺激できた(?)のであれば私も嬉しいです(´ω`) (2021年5月29日 22時) (レス) id: aa54ca032f (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 感涙見た時にはもう涙が止まらない。涙腺緩くなったと思った…。 (2021年5月29日 14時) (レス) id: 4534ab9975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜川 奈々 | 作成日時:2020年12月19日 0時