【呪術廻戦】絡まって解けないように

贖罪-4 ページ21

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電話を聞いて、愕然とした。


Aが、非術師を殺す…？


ある訳がない。


彼女は同期の中の誰よりも、人の命を奪うことに躊躇いがあった。


だから呪詛師だって、捕縛して態々引渡していた。


そんな彼女が。





先日の、九十九さんとの会話が蘇る。




"「Aはね、先天的に術師に向いてるんだよ。


術式もそうだけど、感情の持ち方が違う」"




"「…そうは見えません。彼女は人間を殺せない」"




"「殺さないだけさ。殺す必要が無いから」"





＿＿＿"彼女を動かすのは、過去への執着だけだ。"




.




担任から送られた住所の元へ




呪霊に乗って直線距離で向かう。




人目についたって構わない。




「間に合ってくれ…」



私は知ってる。



卒業したら普通に暮らしたいんだろ。



非術師を殺したら、処刑なんだぞ。



それは望みじゃないだろ。





「…私がこれを言うか」






現場について、すぐにアパートの扉を打ち破る。




目の前には下肢を真っ赤に染めた家主と




「A…！術式を使ったのか…！」




返り血で顔を濡らしたAがいた。





『…もう夜蛾オジサンにバレたの？早いなぁ』




何ともないように答える。




止めてくれ。




「もう止めろ。じきに悟も来るよ」



『悟も？



じゃあ早く片付けるね』



「！！」



いつの間に持っていたのか



Aは包丁を取り出し、男に振りかざした。



私はすぐに駆け寄って腕を掴んで止めた。




『…離して』



「止めろって言ってるだろう！



何でこんな事したんだ、A…！」




強い力で抵抗される。




『何で止めるの…なんっで…




コイツ……呪いを使って、お父さんを殺したんだよ…私も恨んで当然でしょ？』



当然の権利だ。



あれ、何を考えて。



脱力したAの手から、包丁が落ちる。



『非術師(コイツら)は恨みや憎しみを惜しみなく吐き出す。


それを術師が祓う。呪う。祓う。鼬ごっこだ。


私が負の感情を吐き出すのは駄目なの…？




じゃあ呪術師(わたしたち)は何処へその感情を向ければいいの…！！』




確かに。おかしな話だ。



呪いを祓う私達は、憎しむ事さえ許されないのか？



いや、違う。



感情に蓋をすることは無い。





＿＿猿どもが呪いを生むことが間違っているのだ。




呪いさえなければ。



呪いを生む猿さえいなければ。

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