【呪術廻戦】絡まって解けないように

懐玉-6 ページ12

傑のアクションによって虹龍が動き出す。



短刀型の呪具を両手に持ち、虹龍の動きに合わせて動いた。



だが、凄まじい力で男は虹龍を2枚に切り裂いてしまった。




傑が次の呪霊の効果を出せるように




私は虹龍の体液を浴びたまま、




男を休ませないよう追撃に入る。




虹龍の崩れていく体から瞬時に身を出し




左手に持った短剣を、男の大腿へ目掛けて振り翳す。




「上手く隠れたな、嬢ちゃん」



すぐに探知できないようにしたものの



持ち前のフィジカルですぐに避けられてしまう。



切り傷は与えられたものの、浅い。



男の体にへばりつく呪霊が、武器を吐き出す。




『やば』




「A、いいよ」




傑の合図で、右手の武器を投げながら後退する。



時間は稼いだ。



武器庫が呪霊である限り、傑との相性は悪いだろう。



そう思っていた。




「(なっ…ハジかれた！？)」



『(あの距離はマズイ…！)』




駆け抜けたが間に合わず、傑は深手を負った。



『チッ』



蹴り飛ばされそうな所で、彼を抱え込み




転がりながら下がった。




ぬめりと嫌な感触が両手にあった。



『意識飛ばすなよ、傑』



「、に、げろ」



「術師なら死なねぇ程度に斬った。


式神使いなら殺したが、呪霊操術となるとな。



けど、嬢ちゃんは別だ」




やばいのは私の方か。




左手の頼りない短刀に力を篭める。




的確に私の頸を狙った斬撃を屈んで避け、




短刀を男の心臓目掛けて突くが払われる。





今度は男の短刀が私の心臓を貫こうとしていた。





『っぐ…』



「おー、意外」



何が意外だ。男はヘラヘラと笑っている。



避けるモーションが間に合わないと悟った私は



右手を犠牲にした。



今ので右手は使い物にならなくなった。



「俺も時間は惜しい。時は金なり、だ。



嬢ちゃん、邪魔だよ」




先程よりも遥かに速いスピードで、呆気なく首を絞められる。



気道が塞がれ、脳に酸素が送れない。




目の前が点滅する。マトモな判断が出来ない。




ここで死ぬ…？




＿＿＿＿ごめん、お父さん。




＿＿＿＿お父さんの望み、叶えてあげられないや。





私の左手から短刀が落ちた。






『…喰(が)、蝕(しょく)、呪術』






＿＿印を結ぶ為に。

懐玉-7→←懐玉-5

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す