5、少年ハ虎 ページ7
『聞けば、君一人が追い出されたらしいじゃないか。おかしいじゃないか。他所に移るわけでもなく追放。君を違う施設へ預けられない理由が孤児院には有ったんだろう』
中「太宰さん、藤原さん、何を云って__」
そこで少年の動きは止まった。
太「君が街に来たのが2週間前。虎が街に現れたのも2週間前。君が鶴見川べりにいたのが4日前。同じ場所で虎が目撃されたのも4日前」
太宰が語る間も、中島敦君に"面白い事"が起きていた。
私はこれを楽しみにここまで付いてきたんだ
見る見るうちに姿が変わっていく少年。
今迄色んな能力を見てきたが…
こんな全身変化する能力は初めてだ…!
自然と自分の口角が上がるのが分かる。
太「この世には異能の者が少なからずいる。その力で成功する者もいれば−−身を滅ぼす者もいる。大方、施設の人は虎の正体を知っていたが君には教えなかったんだろう。君だけが、解っていなかったのだよ。
君も「異能の者」だ。現身に飢獣を降ろす月下の能力者__」
完全に虎と化した少年は、目前にいた太宰に襲いかかる。
大きな雄叫びをあげながら。
ドォォオン…
虎が飛び込んだ場所は、混凝土(コンクリート)が割れている。
『今日の夜食は虎肉か?けど気弱な奴の肉なんて不味そうだな』
グォオオオオオ
叫びながら太宰に突っ込む中島敦君。
まあ人の意識なんて残っちゃいないけど。
太「そんな夜食私は嫌だよ。
…こりゃ人の首くらい簡単に圧し折れる」
ドッ
この間もずっと攻撃をし続ける少年。
太宰は避け続けているが、終に壁際に追い込まれてしまった。
『いけー少年ー殺れー』
太「一寸A、何方の味方?」
『少なくともお前の味方ではない』
太「長い付き合いじゃないか」
『嫌な記憶は脳内から抹殺するもんでね』
太「そうゆう処、変わらないね…
おっと…君(敦君)では私を殺せない」
太宰による能力の無効化。それにより、中島敦君の異能は解け、人間の姿に戻る。
太宰は彼を受け止めたが…
太「男と抱き合う趣味はない」
国「おい太宰!」
ここで何も知らない国木田が到着。
『おっそいよ…』
太「虎は捕まえたよ」
2人で示すのは中島敦君。
国「小僧が…虎?」
太「うん。変身してる間の記憶がなかったらしい」
国「全く…次から事前に説明しろ。肝が冷えたぞ。おかげで非番の奴らまで駆り出す始末だ。皆に酒でも奢れ」
国木田が呼んだ"皆"と云うのは__
823人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましろ(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます!中て、の漢字と当て、の漢字は意味が同じだそうです。というのも私も調べながら使用しております(^_^;)なので、誤字ではないです!ただ常用では無い方の漢字を使用しただけになります! (8月26日 19時) (レス) id: aa54ca032f (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - このお話読んだばかりですが面白くて好きになりました。質問なんですが8.9話くらいの会話であった中てたらって当てたらの間違いですか?誤字なのかなと気になりました😖 (8月17日 21時) (レス) id: a9005c748b (このIDを非表示/違反報告)
桜川 奈々(プロフ) - Mさん» Google先生に翻訳して頂いております( ̄^ ̄゜) (2020年10月8日 1時) (レス) id: 9c4eef1db5 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - スペイン語喋れるんですか?! (2020年3月17日 5時) (レス) id: 5bd05575e7 (このIDを非表示/違反報告)
桜川 奈々(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます!続編さっき出しました!本篇まだですが早めに更新できるようにしますね! (2016年6月9日 23時) (レス) id: d2923cd544 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:奈々 | 作成日時:2016年3月20日 21時