【番外編】人間の深層心理 ページ45
白昼の酒場(バー)にて。
『………』
「………」
無言で見つめ合う一組の男女。
先に口を開いたのは、女だった。
『………なんで此処に居るの
____
「誰がチビだ!!!」
男_中原中也_の第一声は怒号だった。
『中也と書いてチビと読む。これ常識』
にやり、と嘲るように嗤う女。
「手前…ッ」
『それにしてもさァ、なんでこんな真昼間から居る訳?ポートマフィア暇なの??何なの??』
「ンな訳ねえだろ!休暇だ!
そう云う手前だって暇そうじゃねえか、クビにでもなったか?
____A」
そう挑発するように中原が云うと、Aから思いもよらぬ返事が来た。
『…………
……そうだよ。クビになった』
それは、中原にとって衝撃であり、嬉しい報せでもあった。
『だからもう……居場所なんて無い…
中也……どうしたらいいのか…判らない』
俯きながら中也に抱きつくAに、中原は動揺しつつも、今迄伝えれずにいた言葉を告げた。
「手前の居場所は初めから
…此方だろ」
それでも俯いて服を握るAに、中原は顔をあげさせて自身の顔を近づけた____
・
・
____ところで目が覚めた中原は、その夢の話をぽろっと、そう、ぽろっと石川に話してしまったのだ。
何度も云うが、ぽろっと、だ。
意識して夢の話をした訳ではない。
だが石川鶉という男はその話を聞いた直後、駆け足で部屋を出ていき、戻ってきたと思いきや、爆弾発言をかましたのである。
−−−「姐さんに報告したっす!(いい笑顔で」
0.2秒後に中原に殴られたのは云うまでもない。
「手前はなんて事を…(プルプル…
(A本人に暴露た事もだが、これが太宰に知れたら……)」
ヴーッ ヴーッ
1人で悶々としていると、マナーモードにしていた携帯に見知らぬ番号からの電話がきた。
____このタイミングでの電話は、嫌な予感しかしない。
半ば諦めて、中原は電話をとる。
「…誰だ」
−−『夢って人間の抑圧された潜在的な願望らしいよ、そんな願望があったとはドン引きです〜〜〜二度と面見せんな(プツッ 』
「…………」
・
・
翌日。中原の携帯受信履歴。
全部で52件。
内、21件
「ねえ中也どんな気持ち?」
内、20件
「チビの癖に一丁前に夢見るんだね!」
内、11件
「Aに嫌われて可哀想ーでも当たり前か!オメデトウ!」
(ピキッ
中原「青鯖ァ……」
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ましろ(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます!中て、の漢字と当て、の漢字は意味が同じだそうです。というのも私も調べながら使用しております(^_^;)なので、誤字ではないです!ただ常用では無い方の漢字を使用しただけになります! (8月26日 19時) (レス) id: aa54ca032f (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - このお話読んだばかりですが面白くて好きになりました。質問なんですが8.9話くらいの会話であった中てたらって当てたらの間違いですか?誤字なのかなと気になりました😖 (8月17日 21時) (レス) id: a9005c748b (このIDを非表示/違反報告)
桜川 奈々(プロフ) - Mさん» Google先生に翻訳して頂いております( ̄^ ̄゜) (2020年10月8日 1時) (レス) id: 9c4eef1db5 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - スペイン語喋れるんですか?! (2020年3月17日 5時) (レス) id: 5bd05575e7 (このIDを非表示/違反報告)
桜川 奈々(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます!続編さっき出しました!本篇まだですが早めに更新できるようにしますね! (2016年6月9日 23時) (レス) id: d2923cd544 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈々 | 作成日時:2016年3月20日 21時