32、不運ノパレード ページ38
再び窓の外をぼーっと眺め、今しがた建物から出てきたフィッツジェラルド一行を目で追いかける。
『(あぁ、ヘリが爆発してくれたらどれだけ嬉しいことか…)』
そしてふと気付く。
見送りに付いていった賢治の姿が見えないのだ。
『真逆……彼奴等』
＿＿知らずのうちに私は殺気を向けていたらしい。
フィッツジェラルドが歩くのを止め、こちらに振り向いた。
そしてあろうことか、ピンポイントでわたしを見つけ、目が合ってしまった。
最 悪 だ 。
『……』
ﾌｨｯﾂ「……」
無言の睨み合い。どちらも目を離さない。…なんか此方から離したら負けな気がする(気がするだけ)。
ﾌｨｯﾂ「……ﾌｯ」
『……！』
よし、彼処から目を離したぞ、勝った(気がするだけ)。
しっかしまあ……
『去る間際に"アレ"を見せてくるとは……つかなんで私と同じの持ってんだよ、あの人吸わないだろ………
"煙草"』
フィッツジェラルドがポケットからちらりと出してきたのは、vogue(ｳﾞｫｰｸﾞ)という煙草。
それは私が愛用している煙草だ。
…若しかしたら、予想以上に組合と関わりが深くなってしまっていたのかも。
『はぁ……』
この先の未来を少し予測し、何度目か判らない溜息を吐いた。
・
・
翌日。
昼前に国木田から電話があり、
"起きろ！そして報道(ﾆｭｰｽ)を見ろ！"
という喧しいアラームにより目覚め、絶賛不機嫌中な私は、素晴らしい真顔で探偵社へと向かっていた。
報道？勿論見てないよ。
『ふぁああ……最悪の目覚め…
………？何か違う…』
何時もの道を通って探偵社に向かっているのだが、歩行者の様子が何時もと違うのだ。
ある者は平然と。ある者は後ろを振り返りながら。ある者達はざわつきながら。
『何なんだ……？』
私も歩きながら不思議に思い、首を傾ける。
そして歩行者の騒々しさが増してきた頃＿＿
＿＿視界に懐かしい金色を見た。
『…………
エリス嬢……？』
そして、ロリの行く所ロリコンあり。
必然的にあの黒い影も目に入るわけで。
『ｹﾞｯ首領、否…森さん』
姿を確認した瞬間、即座に進行方向を90度回転させその場を離れようとしたが
ﾑｷﾞｭｯ
『…………
……お、え…
エリス嬢……』
腰に抱きつくは天使、エリス嬢であった。
あれ？エリス嬢見つけるの速くない？？こっち来るの速くない？？異能持ってた？？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 823人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましろ(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます！中て、の漢字と当て、の漢字は意味が同じだそうです。というのも私も調べながら使用しております(^_^;)なので、誤字ではないです！ただ常用では無い方の漢字を使用しただけになります！ (8月26日 19時) (
レス) id: aa54ca032f (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - このお話読んだばかりですが面白くて好きになりました。質問なんですが8.9話くらいの会話であった中てたらって当てたらの間違いですか？誤字なのかなと気になりました😖 (8月17日 21時) (レス) id: a9005c748b (このIDを非表示/違反報告)
桜川 奈々(プロフ) - Mさん» Google先生に翻訳して頂いております(￣^￣゜) (2020年10月8日 1時) (レス) id: 9c4eef1db5 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - スペイン語喋れるんですか？！ (2020年3月17日 5時) (レス) id: 5bd05575e7 (このIDを非表示/違反報告)
桜川 奈々(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます！続編さっき出しました！本篇まだですが早めに更新できるようにしますね！ (2016年6月9日 23時) (レス) id: d2923cd544 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：奈々 | 作成日時：2016年3月20日 21時
