バックステージ

땡-inside story ページ16

＿＿＿＿🦊side

カムバに向けてメンバー全員が更に忙しくなってきたこの1ヶ月のなかで、新しい試みを始めた人がいる。

Aヌナだ。

新しい、といっても公にするのが初めてというだけだけど。


「ヌナ、いつもやること多いのに…大丈夫かな」


次のアルバムに収録される曲の1つを、ヌナ主体で制作しているらしい。(らしい、というのも最近カトクの連絡の頻度が落ちているから…忙しいんだろう、寂しいけど応援してあげなきゃ)

今までにも作詞や編曲をヌナは手伝ってきたらしいけど、それは本人の意思でクレジットには載っていない。
あくまで、手伝いだからって。
だけど今回は、スリラチャよりもメインで動くのがヌナだ。


「うーん…差し入れでも持っていこうかな」


差し入れ、なんて優しさよりヒョンたちとヌナに会いたいだけなんだけどね。
ヌナの最近のトレンドのクァベギを購入して、ヒョン達がよく使う事務所の作業室へと向かった。


「ヒョン〜、ヌナァ〜…」


普段自分が足を踏み入れない場所に行くって、ちょっと緊張するね。恐る恐る部屋をノックし、入室した。


🐺「えっ、イエナ！来るなら言ってくれたら良かったのに！」


嬉しそうに1番に迎えてくれたのはチャニヒョン。
ハニヒョンとビニヒョンはそんなチャニヒョンの声で僕に気付いたみたい。


🐖🐰「ヤー！サプライズか！？可愛いヤツめ」

🐿「待って、甘い匂いがする。イエナ！」

「バレました？ヌナの好物持ってきたんですけど」


本当は食事制限とかもあるんだけど、ヒョン達も今日ばかりは許してくれるみたい。

ヌナ、というワードを放つと、3人とも「あっ」と口を揃えて放った。え、なに。
そういえば今ここにAヌナがいない。


🐿「もう結構時間掛かってるよね？」

🐺「そうだね。あー、Aね、1回編曲したトラックと歌詞を擦り合わせてくるって言って隣の収録室に籠りに行っちゃった」

🐖🐰「ゾーンに入ったら集中するのは分かるけど…いくらなんでも長すぎ。丁度いいや、イエナ。ビックリさせて来い」


ニヤリと笑ったビニヒョンに誘導され、僕はAヌナのいる収録室の扉を叩いた。


トントントン。
反応がない。


「…倒れてるとか無いよね？」


まさかと思いつつ、いざ言葉にすると不安も積もるわけで。
ドアノブを回してみると驚き。鍵が掛かっていない。


「…ヌナ！」

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