86.新双黒 ページ10
-A side-
新しい双黒の誕生により、白鯨は墜落した。
そして、鏡花も正式に探偵社員となった。
白鯨落下地点に到着した私は、少し後ろから事の顛末を見守っていた。
それにしても…
全て脚本通りか。
ここまでくると恐ろしいねェ…
太「不安もあったが、巧くいって善かったよ」
『巧くいってなかったら前歯折るところだったわ、本気で』
太「巧くいって善かったよ、本気で……」
口元を引き攣らせた太宰に、龍坊が近付く。
あ、倒れた。
『…ポートマフィアに回収頼んどかなきゃ。
何はともあれ、お疲れ様。二人共』
鏡「…ありがとう」
『皆待ッてる』
中「!」
ん、と向かい側の道を指すと
探偵社の面子が揃っていた。
____こうして、異能力戦争は幕を閉じた。
・
・
翌日。
「鏡花ちゃん、入社お目出度う!」
盛大に宴(パーティ)が行われた。まあ各々好きな事やってるだけだけど。
『こんな時だ。私も好きな風にやらせてもらおーッと』
壁際に並んでいるワインを取りに向かうと、部屋の一角で静かに座っている人物が見えた。
てか目が合った。
『ああッお前!!』
「ああッお主は!!」
『「………」』
『「…(名前が出てこない)」』
シンプルにド忘れした人と
接点が無さすぎて寧ろ初めまして感覚の人。
或る意味での地獄絵図である。
『…ごめん、名前忘れたわ。
カールは覚えてるけど』
「カールは分かるのであるか…」
『まあ乱歩さんがお世話になったみたいだし、ゆっくりしていきなよ』
「えっ?」
あの日は乱歩さん、楽しそうにしてたし。
・
あの後溺れるようにワインを飲み漁った。
本当は幾つかを嗜む程度にしようと思っていたが、
社員の楽しそうな笑顔を見て安心し、
同時に、
ということを思い出し
自棄酒のようになってしまった。
感傷的になるのは歳のせいか、この環境のせいか
先日安吾と話をしてある程度の過去の精算が果たせたからか
探偵社をよろしく、ッて頼んだ意味を分かってくれるだろうか。彼奴なら嫌でも分かるか。
中「藤原さん?」
『…んー?』
中「あの、大丈夫ですか?珍しく酔ってる様子だったので…」
『………』
思わず頭を撫でてしまった。不可抗力だ。
中「えっあっあの!太宰さん何処に行ったか知りませんか!?」
赤くなってら。初心だな。
『ふふ、知らなーい』
自然と笑みが零れた。
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麗葉 - 続きみたいです!!主ちゃん死なないでぇ! (7月15日 21時) (レス) @page32 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
白夜ナイ - 続きはないんですか?是非‼️作ってぐたさい‼️読みたいです!!!。 (2022年2月16日 15時) (レス) id: d118b4d7f4 (このIDを非表示/違反報告)
桜川 奈々(プロフ) - ゑごまさん» 夢主の誕生日をお祝いして頂きありがとうございます!読み返していただけるなんて嬉しすぎて…(T ^ T)完結までよろしくお願いします! (2020年10月8日 1時) (レス) id: 9c4eef1db5 (このIDを非表示/違反報告)
ゑごま - 夢主happy birthday!! この作品が大好きで、最近読み返してます!更新再開するの楽しみにしてます! (2020年5月21日 9時) (レス) id: da1fba78c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜川 奈々(プロフ) - 1.9さん» ありがとうございます!とても励みになります!更新頑張ります! (2019年5月19日 16時) (レス) id: 9c4eef1db5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈々 | 作成日時:2019年4月23日 22時