【文スト】前職？マフィアだけど何か。3

【番外編】DEAD APPLE (9) ページ21

大の字に寝転んでいると、足音が聞こえた。


『今かよ…』


私は目を細めて頭元に居る此奴＿＿フョードル・ドストエフスキーを見遣る。


ﾄﾞｽ「お疲れ様でした。意外でしたよ、貴女がここまで動いて下さるとは」


『堂々と嘘ついてんじゃねーぞ。全部予想してた範囲内だろ』


なんのことでしょう、なんて白々しく呟く此奴に腹を立てつつもドストエフスキーに口で勝てる訳が無いとわかっている為、この話題には口を噤む。


『…お前、ジョージを通じて私にわざと情報を流したろ』


ﾄﾞｽ「何のお話です？」








『私の可愛い可愛い"弟"の事だよ』



ﾄﾞｽ「嗚呼、そんな話も何時かに漏らした気がしますね」



くすりと笑い、曖昧に全て答える。


これ以上は此奴からは望めないか。そう考えた時、ドストエフスキーから発せられた。


ﾄﾞｽ「そう云えば、これを拾ったのでした。何方のか御存知ですか？」


チャリ、と手から落とされた其れは、私にとって見覚えのある物だった。


『……お前、これ何処で取った』


ﾄﾞｽ「拾ったんですよ」


『何処で取った！？この鍵を何処で！！』


自身の能力の限界を忘れ、上肢を起き上がらせた。



＿＿＿＿「光留、これは貴方の鍵。落としちゃ駄目よ。先生に怒られちゃうからね」

＿＿＿＿「うん！あ、お姉ちゃんがくれた猫さんの飾り、付けてもいい？」

＿＿＿＿「勿論。お姉ちゃんが付けてあげる」






ﾄﾞｽ「此処…ヨコハマですよ」





DEAD APPLE [完]

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