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半ば強制的に同行を許可した国木田だったが、太宰がいなくなったことと重なり、国木田の胃と苛立ちは限界だった。

「そういや、小娘。名前は?」

それでも、一応恩人と言えるような少女には顔に出さずに耐えた国木田は胸の内で自らを賞賛していた。

否。半分ヤケだろう。こうでもしないと顔に出ると思った国木田の最終手段だった。

「…AAです。お兄さんは?」

「国木田だ。」

「そういや国木田さん。何処へ向かっているのですか?」

「…ついたぞ。」

そこは廃倉庫だった。

「え?いませんけど…まさか!ここに来ることを予想してるんですか!凄いですね!」

「否。もう標的はここにいる。」

「…。」

「うちの名探偵は偉大な御人でな。『恩人に気をつけろ』。お前ならこの意味わかるのではないか?」

フードの下で少女は、口角を上げた。

「なんだ。バレてんだ。口調を偽るのって結構大変なんですよ。お父さんとの訓練時間が増えて私は嬉しかったですが…」

仮面が取れたように彼女は口調を変える。

爪を噛む少女の手を国木田が止めた。

「お前が自 殺事件の犯人だな?…お父さんと言ったか。お前の父親の事を吐け」

「言うわけないでしょう?その代わり、『襲え』」

彼女の周りに緑色の文字が螺旋状に浮かび上がる。
彼女の異能とともに大男達が姿を表す。

「計画はお父さんがしました。お父さん程の頭脳の持ち主が、貴方の行動を予測出来ないわけがない。初めから戦力になりそうな人達を倉庫に隠して起きました。」

国木田が舌打ちをする。

「気絶させようなんて考えない方が宜しいですよ。私の異能は言霊。悪くいえば精神操作。屍生人(ゾンビ)のような人達を止めるには殺すか、私をどうにかしなければ無理です。」

国木田は太宰の居ない状況でどう動くのか。

Aは、父親の頭脳を理解できなかった。故に国木田の対処は彼女にとって試験とも言えるだろう。

彼女の脳内はこれを成功させなければ父親に捨てられるという最悪のシナリオで埋まっていた。


国木田とAの命をかけた勝負が幕を開けたのだった。
―――

読まなくていいです(下)
沢山の評価ありがとうございます。
コメントもしっかり読ませていただいてます。

返信しないのは私が既読無視常習犯だからです。

性格変わってない?と思ったそこの貴方。正解です。
物語が、依存とか結構暗めなので私も上品キャラ頑張ってたのですが、実際はネタキャラの変人なので…

た→←わ



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シロクロ(プロフ) - 他のパターンもあったらぜひ見たいです!! (2021年9月16日 17時) (レス) id: e7729c81d6 (このIDを非表示/違反報告)
シロクロ(プロフ) - バッドエンドめっちゃ好きです! (2021年9月16日 17時) (レス) id: e7729c81d6 (このIDを非表示/違反報告)
- 好きです……更新楽しみにしております!! (2021年9月15日 6時) (レス) id: c53e6fc030 (このIDを非表示/違反報告)
颯貴@東方&文スト大好き人間(プロフ) - お気に入り10評価当たり前ですけど入れました!!最高ですか??愚問でしたね((続きを楽しみにしております! (2021年9月15日 0時) (レス) id: 61e081417a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクシャ | 作成日時:2021年9月13日 21時

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