鼠に拾われた【文スト】

に ページ2

「『AA…17歳、言霊の異能を持つ少女…』資料はこれだけですか。17歳の割には小柄ですね。まぁ環境が環境ですから、仕方ない。」

フョードルは爪を噛むのを辞め、虚ろな目をしている少女に声をかけた。

「今日から僕達は親子です。お父さん、とでも呼んでください。」

「おとう、さん」

フョードルはそれでよしと言わんばかりに口角を上げた。

それからフョードルは、一つ一つ丁寧に、愛情を注いでいった。

自分しか見えないように、

自分にしか頼らないように、

塔の上のお姫様のように、外の世界等教えず、


まるで依存させるように、


笑う彼女の胸元のポケットには、ホオスギが垂れ下がっていた。

．．．

フョードルとAは、血は繋がっていない。

だが、フョードルの教育のせいか、考え方、癖、奇跡か、偶然か、はたまた運命か、見た目も似ていた。

本当の親子のようだが、その愛情は、本物か、偽物か

真実は鼠(フョードル)のみぞ知る。

「潮時ですかね。」

ひ→←鼠

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