俺がヒーローになったのは。【爆豪勝己】【轟焦凍】 (ページ49)

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爆豪side

"好きな人に告白しようかなって思ってて！！"

さっきのAの言葉が、重くのしかかる。

(好きなヤツ、いたンか…)

小学校までは俺の見事なまでの牽制で、Aが喋る男は俺とデクくれぇだった。

別々の中学に行ったのがまずかったか？

でもあいつは中学時代、クソモブ女どもの嫉妬(男絡み)のせいでまともに友達もできなかったらしいし、それなら男は嫌いになるんじゃ？

だとしたら高校に入ってから？

「あーー、わかんね」

考えれば考える程頭が痛くなって、思考を放棄するように仰向けに寝た。

部屋の蛍光灯の光も、ベットのスプリングがきしむ音も、全て煩わしく感じる。視界を自身の腕でシャットアウトして、そのまま意識を手放した。

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爆豪「…っつーことがあって」

上鳴side
珍しく覇気のないカッチャンを見て、瀬呂と切島と一緒に何かあったのかと迫った。
そこで渋々と言ったように、勉強会後の出来事を爆豪が話してくれたのだ。

そして時は今に戻る。

(((なにしてんだよ、水咲！！！)))

話を聞いた俺たち3人は、そりゃあもう驚いて。

だって勉強会で感動的な馴れ初めを聞いた直後に、そんなことが起こるなんて誰も思わないじゃんか！

上鳴「いやいや、水咲は素直になれないだけで絶対カッチャンのこと好きだろ！」

爆豪「適当なこと言ってんじゃねぇぞ、アホ面」

瀬呂「どう見たってお前ら両想いだよ！」

爆豪「根拠あんのかよ、しょうゆ」

切島「根拠っつーか俺のハートがそう言ってる！！」

爆豪「論外だわ、クソ髪」

はぁはぁと反論に疲れた俺らは揃って息を切らす。

(あれ、これデジャヴ？？？？)

昨日の勉強会でもこんなことあったような…？

上鳴「まあでもさ！まだ水咲の好きなヤツが爆豪じゃないとか決まったわけじゃ、」

轟「なんだ爆豪、フラれたのか」

爆豪「あ゛？」

あぁーー！1番の油が登場しちゃったよ！！
ここら一帯もう大火事だよ！！！！！

切島「まあまあ！！轟も、な？あんま挑発するようなこと言っちゃダメだぞ！」

瀬呂「そうそう！！2人が喧嘩したらもう大火事になっちゃうからさ！」

轟「氷結で火は抑えるから問題ねぇ」

「「「そういう問題じゃねぇー！！」」」

俺たちの勢いに驚いたのか轟はお、と声を漏らした。
この後、ワナワナと震える爆豪が轟に掴みかかって乱闘に発展したのは言うまでもない。