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"ねぇ！告白しないの？！"
いつも通りかっちゃんと2人で家路を辿るも、さっき三奈ちゃんに言われた言葉を思い出して変に意識してしまう。
そのせいか、なんだか今日は繋がれた右手が熱い。
(そもそも告白以前の問題だよね…？漫画とかでありがちな一つ屋根の下！的な状況なのに何も起きないし…それに毎回こうやって迎えに来てくれるのはやっぱり妹みたいな、)
「おい、A」
大丈夫か、と私の顔を覗き込むかっちゃんに余計胸が締め付けられる。
「っ、なにが？」
「ずっと考え込んでただろ。なんかあったンか」
貴方のことを考えてました、って素直に言えたら。
でも私にそんなことできるはずもなく
「…別になにも、っ？！」
「ハッ、嘘つき」
そういってかっちゃんは、私の鼻をつまんでイタズラに笑う。
「かっちゃ、」
「ふ、鼻声になってんぞ」
「かっちゃんが鼻つまんでるんだから当たり前でしょー！」
ひとしきり笑ったあと、かっちゃんは慈しむような表情で言った。
「…やっと元気戻ったな」
……あ、今
(また、好きが積もった)
その好きは、衝動的に口をついて出て。
「……かっちゃん、好き」
その瞬間流れた沈黙は、くすぐったくてでも心地よくて。
もしかしたら、と期待してしまうには十分だった。
でも、次に思い出したのは私のことを"女の子"として意識していないかっちゃんのこと。
「って私に急に言われたらどう思う？？！！！」
「は？」
「いや、その〜、好きな人に告白しようかなって思ってて！！」
さすがにこの言い訳は苦しいよね！？
絶対バレた、バレちゃったよ！さいあくだ…
ほら、かっちゃんだって変なもの見ちゃったみたいな顔で私のこと見てるし、
「…俺は、応援はできねぇ」
その瞬間ヒュッと音が鳴るように息が苦しくなった。
きっとかっちゃんは私の気持ちに気づいて
それなのに"応援できない"ってことは
告白して欲しくない、今のままでいようってことだよね
「…そっか」
沈黙になってしまったこの場をなんとか和ませようと、気持ちがぐちゃぐちゃなまま話し続ける。
今の沈黙は、苦しい。
「でもまあもしもの話だよ？私にそんな度胸ないし！！」
「A、俺は、」
「あ、ほら家着いたよ！早く入ろ！」
何か言い掛けたかっちゃんを無理やり家に押し込んで、私は逃げるように自室に入った。
(かっちゃんの、バカ)
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作者名：n484r | 作成日時：2023年12月9日 20時
