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A「ねぇ、かっちゃん。」
黙ったままの彼の頭を、宥めるように撫でながら話す。
A「私ね、自分のことが大事とか、わからないの」
わからない。
ううん、わからなくなっちゃった。
でもこれって悪い意味じゃなくてね
爆豪「あ゛？…約束破ったの開き直るつもりか？」
A「最後まで聞いて」
私が自分のことを大事に思えないのは＿＿＿＿
A「かっちゃんのことが大切すぎて、わからなくなっちゃったの」
爆豪「……は、」
本当に大好きで、大切で仕方なくて。
自分のことなんかどうでも良くなるくらい、
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿貴方のことが好き。
A「だからさ、かっちゃん。
私がかっちゃんのことを死ぬ程大事にするから、
その分かっちゃんが私のことを大切にして？」
怪我をする私に、かっちゃんが本気で怒って。
それでね、かっちゃんの怪我はきっと私の方が痛いよ
A「そしたら私、絶対死なないもん」
爆豪「……死なせるわきゃねーだろ」
あぁ。やっと笑った
爆豪「………ヒーローになるな、とか悪かった
俺がいる限り、お前がヒーローになってもぜってぇ"大丈夫"にする
だから、
＿＿＿＿＿＿＿＿＿俺と、ヒーローになンぞ」
A「！！……うんっ」
そこで私は気づく。
仲直りに満足して、目的を果たしていないじゃない…！
A「かっちゃんかっちゃん！なんか気づくことない？」
爆豪「あ？気づくこと？」
私の頭からつま先までに視線を移動させて、かっちゃんはおもむろに呟いた。
爆豪「………筋肉」
A「せいかい！！頑張ったでしょー！」
褒めて、という意味で、かっちゃんの手を私の努力の結晶・腹筋と太ももに触れさせる。
……絶対いま、私めっちゃドヤ顔だ
爆豪「………誘ってんのか？」
口の端を意地悪げに上げるかっちゃんに、自然と顔が熱くなる。
A「さ、誘ってなんか……、」
お願い神様
今だけ私をちょっと素直にして…！
A「…でも、かっちゃんになら何されても、いいよ？」
爆豪「……は」
この空間恥ずかしい！
いたたまれない！！！！
A「おおおおおやすみ！！」
かっちゃんが固まっている隙に押し返して部屋を飛び出す。
(何言ってんの、私…！)
・
・
(…っぶねぇ、踏みとどまった俺偉すぎんだろ)
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作者名：n484r | 作成日時：2023年12月9日 20時
