039 ページ41
一夜明け、保須総合病院
轟「診療終わったのか。どうだった？」
A「包帯巻かれちゃった！大袈裟だよね〜」
あはは、と笑ってみせるも轟くんの顔は少し曇っている。
轟「…爆豪に怪我すんなって言われてたろ」
A「…うん、」
轟「約束破らせることになっちまって、すまねぇ」
A「轟くんが謝る事じゃないよ、」
轟「…怖かっただろ。爆豪の声、聞きたいんじゃねぇのか」
やっぱり、ヒーロー殺しは怖かった
何度も、何度も足がすくんで……
轟くんにはやっぱりお見通しだったようだ
轟「上からは口止めされたが…爆豪にだけなら、言ってもいいと思うぞ」
ヒーロー殺しの件はエンデヴァーの功績ということで表向きは通っている。私たちヒーローの卵が個性を行使することは重大な問題だから。
A「…ありがとう！行ってくるね、」
Aは安心したような笑顔を見せ、病室をあとにした。
轟「………爆豪、今回だけだからな。敵に塩を送るようなマネすんのは」
・
・
・
爆豪side
ヒーロー殺しの件、Aの事務所からも近い。
アイツのことだから巻き込まれてんじゃねェのか
何度も何度も電話をかけても繋がらない
その事実が余計に爆豪を焦らせた。
Prrrr……
プツっと音が鳴ってようやく電話が繋がる
爆豪「はっ……やっと、出た。おめー大丈夫なンか、！怪我は、」
A「…かっちゃん、ごめん。約束破っちゃった」
爆豪「……っ」
A「これは絶対秘密にして欲しいんだけど…」
そう言って、Aはヒーロー殺しとの戦いの全てを話した。
爆豪「…クソが、だから嫌だったんだよ」
A「ごめんね。でもかっちゃん、私だって、」
爆豪「なァA……」
爆豪「……んとにヒーローじゃなきゃダメなンか」
A「え、？」
爆豪「ヒーローじゃなくても、いいだろ。俺はAには……」
笑っていて欲しい。傷つかないで欲しい。
その言葉を押し込んだ。
自分の独占欲のために彼女の夢を否定するのは
きっと、正しくない
爆豪「……今のは忘れろ」
プツンと電話を切って座り込む。
A。
ヒーローになんか、なるなよ
雄英入って何回も怪我して、危険な目にあって……
「ヒーローなんか、やめちまえ。クソA……」
口をついて出た言葉は
誰にも拾われず静かに消えた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：n484r | 作成日時：2023年12月9日 20時
