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A「じゃあ次私ね」
ふぅ…と息を吐いてボードを表にする。
A「私のヒーロー名は、"シレーナ"です！」
ミッドナイト「イタリア語で人魚、かしら？由来は？」
A「えっ由来ですか？」
由来といっても個性
A「…人魚になれるから、です？」
A組「「「えぇ！！？？」」」
芦戸「ちょっと聞いてないよ？！」
峰田「絶対えろい」
A「えっ嘘、言ってなかったっけ？」
切島「人魚になれるってどういうことだ？？」
私の個性は水。
水といえば海、海といえば人魚？
そこからの派生なのかなんなのか、私は人魚になることができる。
切島くん以外にもはてなマークを浮かべている人が多数。
A「じゃあやってみるから見て、」
爆豪「おい、A」
かっちゃんの静止が入る。
爆豪「ダメだ。ソレになんのは必要最低限って決めただろ」
A「はーーい」
皆のえーという落胆の声とともに席に着く。
すると
緑谷「Aちゃん、これ轟くんから」
後ろから小さく折られた紙が回って来た。
なんだろう、と思い紙を開く。
"あとでこっそり見せてくれ"
ばっと教室の後ろの方を向くと、轟くんが口の前で人差し指を立て、秘密だというように微笑んでいた。
・
・
・
轟side
授業終了後、俺たちはこっそり屋上のプールに来ていた。
A「轟くん、いくよ…？」
轟「おう、見せてくれ」
ぼんっと音がして水咲の下半身には鱗が生え、魚の尾のようになった。
上半身は胸を覆う貝がら以外には何も纏っていなくて
正直………えろい
爆豪があの時静止をかけたのも今なら頷ける。
轟「髪の色も変わるんだな」
水咲の髪に触れる。艶やかな黒から、アクアマリンのような透き通った水色に変わった髪は、彼女を更に神秘的に魅せる。
A「ねぇ、久しぶりに泳いでもいいかな？」
頷くと水咲は自身の個性で空のプールに水を溜めた。
勢いよく飛び込み、軽やかに水中を舞う。
A「轟くん！」
ドクン、と心臓の音が響く。
水面から顔を出して笑った彼女に目を奪われて、俺は手を振りかえすことすらできなかった。
轟「……ヤベェな」
意味わかんねぇくらいに顔に熱が集まるのを感じて、口元を片手で覆いながらその場にしゃがみ込む。
穏やかに流れる秘密の時間に反して、俺の心臓はうるさく音を立て続けた＿＿＿＿＿
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作者名：n484r | 作成日時：2023年12月9日 20時
