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時刻は午後8時20分。
街の明かりが灯り、キラキラと彩られた夜景が綺麗に映えるそんな時間。
観覧車の中には、私たち2人だけ。
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A「かっちゃん！最後にあれ乗りたい！！」
すっかり暗くなった空を背に観覧車が明るく佇む。私にはどうしても"それ"に乗りたい理由があった。
"頂上で愛を誓い合った2人は永遠に結ばれる"
この遊園地の観覧車にはそんなジンクスがあるから。
彼の手を引いて私たちは観覧車に乗った。
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A「……わぁ、キレー」
観覧車の窓に手を添え、綺麗な夜景を眺める。
かっちゃんもそう思うよね、と彼の方を向く。
するとかっちゃんは夜景ではなく、私のことを真っ直ぐ見つめていた。
A「…っもう、ちゃんと夜景見てよー？」
恥ずかしくてばっと目を逸らす。
爆豪「わぁっとるわ」
ニヤッと笑うかっちゃんに胸が締め付けられたように苦しくなった。
(もっと素直になれたらいいのに……)
迫り来る頂上にあの"ジンクス"を思い浮かべる。
A「ねぇかっちゃん？」
爆豪「あ？」
A「……私のこと、好き？」
一瞬驚いたように目を見開いた彼はすぐにいつも通りの表情に戻って言葉を綴った。
爆豪「…好きに決まってンだろ」
……知ってる。
それに、その好きは"家族として"だってことも知ってる。
A「私も、好き。」
"頂上で愛を誓い合った2人は永遠に結ばれる"
屁理屈かもしれないけど
これで私たちも誓い合ったことになるよね？
恋人としてじゃなくても
ずっと隣にいたい。
A「聞かなくても知ってた〜！かっちゃんは私のこと妹みたいに大事にしてくれてるもんね！」
爆豪「…そーだな」
わしゃわしゃと私の頭を撫でるかっちゃんは
少し切なそうな、でも愛おしそうな目で私を見つめる。
もう少しこのままで、そんな願いも虚しく観覧車は地上へと戻った。
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A「……ふふ、」
家に帰って来た私は、遊園地で撮ったかっちゃんとのツーショットを部屋の写真立てに飾った。
お揃いのカチューシャをつけて、カメラに向かって笑う私とかっちゃん。
今日はいい1日だった、とくすぐったいような気持ちのまま眠りについた＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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作者名：n484r | 作成日時：2023年12月9日 20時
