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爆豪「…で、A」
表彰式が終わり、かっちゃんと帰路につく。
爆豪「俺がお前の分までっつって戦ってたのによォ。……切島と保健室でナニしてた？」
A「えぇ！？………なんも？」
かっちゃんと見間違えて抱きついちゃいました、なんて言えるか！
爆豪「明らかにお前らの空気おかしかっただろ、早めに吐いちまえよ。……まあ返答次第によってはあのクソ髪の命はねぇがな」
そう言ったかっちゃんの空気がガチ過ぎて、
必死に弁解したのはまた別のお話。
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翌日は休校日で、私は両親の墓参りに向かっていた。
A「…あれ？轟くん？」
轟「お、水咲か。」
轟くんは吹っ切れたように、清々しい表情だった。
A「どこ行ってたの？」
轟「母さんの見舞いに」
A「！！…よかった、向き合えたんだね」
轟「？」
A「…ごめんね。体育祭の時、盗み聞きするつもりはなかったんだけど」
轟「そうか。」
A「轟くん。大事な人とは、向き合えるうちにとことんぶつかり合わなきゃだよ！
………いつ会えなくなるかなんて誰にもわからないんだから。」
サァッと風が吹き抜けて私の髪が靡く。
お墓参りに決まって持っていく白い百合の花。
さっきお花屋さんで買った立派な白百合は、私をどこかブルーな気持ちにさせた。
A「轟くん、ちょっと時間ある？」
轟「？あぁ」
私だけが轟くんの過去を知っているのはフェアじゃないから、って言うのはただの建前で。
本当は1人で会いにいくのが、寂しかったんだ。
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轟side
線香の匂いが鼻を掠める。
俺は今、水咲の両親の墓の前で手を合わせている
轟「…ご両親、亡くなってたんだな」
A「うん。ずっと前に」
俺たちは、昔話をした。
墓前に飾られた白百合と、線香の匂いが
悲しい過去に埋もれた2人を繋ぐように。
＿＿＿＿＿どれくらい話していたのか。
空の色が茜色に染まって、時の流れを知らせた。
A「轟くん、また学校でね」
ありがとう、と言って水咲は手を振る。
墓前で見せた彼女の悲しげな横顔が、忘れられない。
轟「水咲！また、ご両親に手ェ合わせに来てもいいか」
A「…月命日！」
彼女は振り返って白百合のように凛として笑う。
A「毎月来てるの。轟くんがいいなら、またついて来てほしい！」
今日初めて見せた彼女の心からの笑顔に
俺もつられて口元を緩めた。
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作者名：n484r | 作成日時：2023年12月9日 20時
