6本目 ページ7
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トントン…
音を立てたボールは相手側のネット際に落ちる。
ゆっくり転がってネットを張るポールにぶつかって止まった。
自身の腕に刺す静かな冷たさの後,熱とともに走る激痛。
皮膚の内側から熱湯を浴びたようだ。
痛みが腕から抜けてくれず,激しいズキズキに思わず腕をさする。
それでも,西田くんのスパイクを自身の腕であげられた快感で腕の痛みも激減された。
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「すげえじゃん!!」
「わっ!!」
バタバタと走ってきた西田くんは私の両肩をつかみ揺らす。
先ほどボールを撃った西田くんの真剣な表情とは別人のように笑っている。
「すげえすげえ!!」と連呼する後ろで浅野さんも小走りでこちらに来た。
「野目ちゃんすごいね,普通の子なら動けすらしないよ」
「ああ!!すごい反射神経や!!」
薄っすらと関西の言葉が出た西田くんに両肩をつかまれたまま「だって、」と口を開いた。
「西田くんが''女の子だから''ってバカにしたからとってやろうと思って」
と挑発的に笑い舌を出した。
2人はキョトンとした後,浅野さんだけ笑い出した。
西田くんは言葉の意味を理解し慌てたように弁解する。
「ごめん!!馬鹿にしたわけじゃない!!」
「あはは,野目ちゃん最高だね!!」
「いや!でも!!野目ちゃん,」
スッと西田くんと視線が絡む。
先ほどのニコニコが不敵な笑みに入れ替わった。
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「バレーすげえってなったでしょ?」
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「………さあね」
「ええ!!?」
「あはは!!」
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トントンと浅野さんがバレーボールをドリブルしながら口を開いた。
「野目ちゃんはテレビとかでバレー見たことないの?」
「ないと思います。……あ、でも」
ふと2,3年前に偶然見たバレーの試合を思い出す。
たまたまチャンネルを変えた番組でバレーの試合をやっており,丁度日本がサーブをするところ。
途中から見た私でもわかるほど実況者や観戦者達が大いにサーバーに期待をあげているのがわかった。
黒髪の彼は深呼吸をした後,ボールを宙へ投げ,走り,自身も飛んだ。
ボールを投げた指先から,自身を舞わせるフォームまでとても綺麗で見とれてしまった。
その放たれたサーブは誰の手に触れられることなく,相手コートに叩きつけられたのだ。
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雪 - 43ページ42本目文章おかしいです (2019年11月17日 20時) (
レス) id: e28ee6ef13 (このIDを非表示/違反報告)
21子(プロフ) - 更新めちゃめちゃ楽しみにしてます！！ (2019年11月14日 21時) (レス) id: fe40dbd9a4 (このIDを非表示/違反報告)
リタ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2019年11月13日 16時) (レス) id: 46e4a96814 (このIDを非表示/違反報告)
わかな - 更新ばり楽しみです (2019年11月7日 23時) (レス) id: 5c2b6ff2d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - コメント2回目です笑夢主のバレーがどう成長していくけ楽しみです！落ちも楽しみです…笑更新頑張ってください！ (2019年11月7日 22時) (レス) id: 1f4ce4e8e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海獅子
| 作成日時：2019年11月4日 17時
