17本目 ページ18
、
待って。
無理じゃない??
ケガするよ??
全員が喜んでいるのをバックに唖然とする。
西田くんと浅野さんとバレーをしたときはスパイクを拾うこととサーブしかしていない。
あんなにネットから手が出るようなジャンプと,相手に合わせた相手が打つためのトス,点を取るための攻撃。
出来るわけがない。
そして順番的に次は私がサーブをする番だ。
私はどこぞの少年漫画の主人公ではない。
諦めなければ出来るなんて非現実的なことは言わないし言えない。
チート的な肉体も,相手を出し抜く作戦を立てる頭脳もない。
ただの女子高校生だ。
場違い感とともに流れる冷や汗を感じていると,
、
「野目ちゃん」
、
浅野さんが私に声をかけた。
隣には点を獲った小野寺さんがいてニコニコ私に向かって手を挙げていた。
その行為がよくわからずに首を傾げると「ハイタッチだよ」と小野寺さんの優しい声が教えてくれる。
ぱちん
弱々しく高さのある本棚から本を取るように背伸びをしてハイタッチをする。
小野寺さんは更に優しく笑った。
「大丈夫だよ,失敗しても」
「え、」
小野寺さんの言葉に浅野さんは「そうそう」と続ける。
「練習だよ?チャレンジして失敗してなんぼ」
「なっ!」と浅野さんに言われた小野寺さんは笑顔で頷いた。
状況が変わったわけでもないのに何故か肩の力が抜けた気がした。
小さく「はい」と返事をしてボールを受け取りエンドラインを超える。
、
、
エンドラインから離れた場所でボールを跳ねさせる。
西田くんのサーブと,数年前に見た綺麗なサーブフォームを頭の中で再生させる。
''ジャンプサーブ?''
''初心者って聞いたけど大丈夫なのか?''
大丈夫。大丈夫。
目をつぶり自身を安心させるような言葉を内に唱えた。
同時に周りの声も聞こえなくなる。
目を開けばネット越しに不敵に笑った西田くんと目が合った。
―――度肝抜かせるサーブ撃ってあげるよ
少し高めにボールを上げる。
体育館のライトに照らされたボールを見上げたまま助走し,踏み込んだ。
高く飛び自身でも浮いてるのではないかなんて,馬鹿なことを思ったりする。
ボールに向けられる伸びた左手と撃ちたいと叫ぶ右手。
頭の中にある綺麗なサーブフォームをトレースしながら,右手はボールを強く放った。
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雪 - 43ページ42本目文章おかしいです (2019年11月17日 20時) (
レス) id: e28ee6ef13 (このIDを非表示/違反報告)
21子(プロフ) - 更新めちゃめちゃ楽しみにしてます！！ (2019年11月14日 21時) (レス) id: fe40dbd9a4 (このIDを非表示/違反報告)
リタ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2019年11月13日 16時) (レス) id: 46e4a96814 (このIDを非表示/違反報告)
わかな - 更新ばり楽しみです (2019年11月7日 23時) (レス) id: 5c2b6ff2d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - コメント2回目です笑夢主のバレーがどう成長していくけ楽しみです！落ちも楽しみです…笑更新頑張ってください！ (2019年11月7日 22時) (レス) id: 1f4ce4e8e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海獅子
| 作成日時：2019年11月4日 17時
