12本目 ページ13
、
空気が一気に冷えたのが,緊張で上がってしまっている私でもわかった。
興味の視線から,刺されるような鋭い視線に変わった人がちらほらいる。
ふざけている,と思われたのだろうか。
言い訳かもしれないが……いや,言い訳だがわからないものはわからないのだ。
そもそも何のポジションだ,お笑いのツッコミとボケの話かと思えば一つも聞いたことがないポジションのワードしか出てこない彼女らの自己紹介。
胃の中がぐるぐるしてどうすればいいかわからなくて固まってしまっていると,
「Aはそれでいいの。ごめんなさいね,座って頂戴」
、
申し訳なさそうに笑う彼女の救いの声により私は席に座った。
今にも噛みつきそうな声を発しそうな女性もいたがその静止の声により,口を噤んで隣の女性とアイコンタクトをとっていた。
東京に来て早々だがこの空気に耐えきれず既に帰りたいと思ってしまっている。
この顔合わせはいつ終わるのだろうか,終わったらとりあえず今後を中田久美さんに聞こう。
そう考えている間も,中田久美さんの隣に座っていた男性がスクリーンを使って話し始めていた。
、
何かの説明が終わると,自分の手くらいの厚さで大きめの教科書を2台並べたような段ボールが配られた。
中身はジャージやユニフォームが入っているらしく,何のユニフォームかわからず隣の子に聞こうとしたがまた空気が凍ることを考えて口を閉じた。
段ボールの次はホッチキスでまとめられた資料を渡され,今後のスケジュールや合宿についてが書かれてあった。
いつも空欄しかない私のスケジュール帳とは全然違って,''練習''や''合宿''で埋まりまくったカレンダーに呆気にとられる。
…いやまって,これ私にも配られたということは私も参加せねばならないのか??
普通に平日にも組まれてあるし,''鹿児島''や''広島''という文字も見えて私の頭に''学校留年''の文字が浮かんだ。
頭の整理がつかない中,隣の会議室にいる男子チームとも顔合わせをするべく移動をするらしい。
資料をクリアファイルに入れて学校のショルダーバッグに詰め込み,ショルダーバッグを肩にかけて両手に段ボールを持つ。
私の行動が遅いのか,準備をしている間に次々と段ボールを小脇に抱えた女性たちが横を通っていく。
時々鋭い視線を感じながら,小脇に大きな段ボールを抱える彼女らに着いていった。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 720人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪 - 43ページ42本目文章おかしいです (2019年11月17日 20時) (
レス) id: e28ee6ef13 (このIDを非表示/違反報告)
21子(プロフ) - 更新めちゃめちゃ楽しみにしてます！！ (2019年11月14日 21時) (レス) id: fe40dbd9a4 (このIDを非表示/違反報告)
リタ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2019年11月13日 16時) (レス) id: 46e4a96814 (このIDを非表示/違反報告)
わかな - 更新ばり楽しみです (2019年11月7日 23時) (レス) id: 5c2b6ff2d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - コメント2回目です笑夢主のバレーがどう成長していくけ楽しみです！落ちも楽しみです…笑更新頑張ってください！ (2019年11月7日 22時) (レス) id: 1f4ce4e8e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海獅子
| 作成日時：2019年11月4日 17時
