なないろの。Ⅲ (ページ35)

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蟹は一生食べたくないページ35

緑

気付いたら病院。呼吸はマシになっていた。

身体を動かそうにもいろいろついているし、ここICUだったりする？

昔と似てる。病室じゃないところ。

待って、やっぱり苦しいわ。全然あの時に比べたらいいけど、普通じゃない。いつもよりバクバクしてる気もする。

「神山さん、目覚めました？」

喋ろうと思ったけど、管入れてるよね。

しかも、ぽやぽやする。考えがまとまらないっていうか、意識飛びそうな感じ。

またふっと、まぶたが落ちた、と思う。

また起きたときは、病室らしいところだった。あの管もなくなってて、あの時よりも苦しさはないし、痒いのもマシ。

さっき来た看護師さんによると、病室に移ってきたときは俺起きてたらしい。

ただ体力を消費してるし、そのあとも動いてないから体力なくて疲れててすぐ寝ちゃいましたよ、って。

「呼吸苦しくないです？、、じゃぁ、カニューレにしちゃいましょうか」

酸素マスクが外れて、なんか鼻のやつ。

「これでも苦しくないですか？」

その言葉に頷く。

「神山さん、今回ね、かなり大きいアナフィラキシーショック起こされたんです。アレルギー物質何か摂取した覚えありますか？」

緑「仕事で食べたお弁当、くらいですかね」

すごいね、喋るだけで若干息切れそう。

「気管支っていうのが狭くなっちゃってね、背もたれ倒すと苦しいと思うから、しばらくは背中倒す練習やっていこうね」

ですよね。これはもう喘息で嫌なほど経験してるよ。

でも、背中起こしてると目の前ザラザラするんだよね。多分血圧低い。先生にも、あれ？低めだねー、って言われたし。