なないろの。Ⅱ (ページ28)

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一番知ってるページ28

緑

体調は日によってコロコロ変わる。

一日中起きられんまま、ベッドの上で1日を終えることもある。

今日は比較的楽に起きられた。

と言っても昼なんやけど。

ただ、血圧が上がりきらなくてさっきからソファの上でボーッとしているだけ。

頭は一応こうやって動いているのに、体は言うことを聞かない。

緑「なぁ、照史、薬あかん？」

橙「あかんよ、さっき飲んだばっかやから、まだあかん」

こんなやりとりを何度も繰り返す。

やっぱり血圧上げたい、正しくは動きたい。

だし、血圧低いのは気持ち悪くなるし、体も重いし、薬が飲めるなら飲みたいって思ってまう。

トイレに行こうと、恐る恐る立ち上がる。

サッと目の前が真っ黒になって、平衡感覚が失われていく。

いま自分が立っているのかも、しゃがんでいるのかもわからない。

気付いたらいつの間にかベッドの上やった。

橙「お、起きた？失神してんで。久しぶりやない、？」

確かに最近はかなり軽くおさまってたから、失神まで起こすのは久しぶりで。

まだちょっと気分悪い。

緑「ん、ね、吐く、、かも、」

断言したくなくて、かもって付けたけどやっぱりダメ、そう思ったらいつの間にか喉が熱くなって、口の中に苦手な味が広がっていた。

橙「おぉ、あかんかった？、ん、大丈夫やで、横むこうな」

胃の中に気持ち悪い感覚だけが残る。

えずいてみるけど何ももうない。

口濯ぎ、って言われた水を含んで照史が置いてくれたガーグルベースに吐き出す。

はぁ、せっかく起きたと思ったのに、結局はこう。

．

やけど照史が優しくなるし、そんなお兄ちゃんしてくれる照史が大好き。