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濱田side ページ30

何度も何度もドアを開けようとして10分、やっと決心してドアを開けた。





ドアを開けたら、ベッドの上のしげと、ぱちっと目があって、



何とも気まずくなった時、しげがさっきみたいにふにゃっと笑った。




重「照史君・・・どかしてや・・、重い・・・」

笑うしげの腕を見ると、泣いたまんま眠ってしまったらしい照史が乗っかってた。


「あ〜・・重いやんか、も〜・・」

そう言いながら照史を抱えてソファに寝かせて毛布を掛ける。





「・・だい・・じょうぶ・・?」


気まずい空気のまま、そう言ってしげを見ると、しげは困ったように笑った。



重「・・腕・・痛い・・」

「え!!」

慌てて隣にしゃがんで腕をさすった。

「もー、あいつ・・・」


そう言いながら腕をさすってる時、もう片方の手が、布団をぎゅっと握ってることに気付いた。





気まずいのが、



俺だけなはずがない。






あんなこと言われて、平静装って笑えるはずがない。






「・・・ごめんな・・しげ・・」


俺は何も分かってないのに、そう言おうとした時、




重「いいの」




そう遮られて反射的に顔を上げると、



しげは不器用に笑ってた。




重「濱ちゃんの言ったことは正しいもん。

屋上にはよお脱走してたけど・・おとんにも先生にも、怒られてた。

でも、濱ちゃんほどに怒鳴られたことはないけどな?」


ふふっと笑うしげに、「そう・・やんな」と頭を掻く。


重「でも、それでええの。
たまにはきつく言われへんと、俺、聞かれへんタイプやから。」



「例えそうだったとしても」

そう言って、どうしようもなくなってしげから目をそらす。


「あんなこと言うんは間違ってる。

何回もお前のこと傷つけて・・・ほんま情けないよなぁ・・・」


言いながら目の前が歪んで慌ててぎゅっと涙を拭った。





重「そんなんで傷つくほど、俺やわじゃないで」




響いた声に顔を上げたら、しげはいたずらっぽく笑ってた。








何度も何度もしげに救われて、


何度も、こんな俺を許してくれる。




しげ、



お前はほんまに、




ほんまに強い奴やな。

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みかん(プロフ) - きいさん» コメントありがとうございます!(T_T)楽しみにして頂けているのが本当に力になります!あったかいコメントにまた頑張ろうと思えました!更新頑張ります(/_;) (2019年3月21日 23時) (レス) id: 54e4c975d6 (このIDを非表示/違反報告)
きい - いつも更新楽しみにしてます!話が進むにつれて涙涙です。しげちゃんの思いが切なくて悲しくて泣けます!!これからもお話すごく楽しみにしてるので更新頑張ってください!! (2019年3月21日 1時) (レス) id: 5833ae3a0f (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - すぴんさん» いつも本当にありがとうございます!優しいコメントに力をもらっています(T_T)なるべく更新できるように頑張りたいと思っているのでこれからもよろしくお願いします(;_;) (2019年3月14日 21時) (レス) id: 54e4c975d6 (このIDを非表示/違反報告)
すぴん(プロフ) - 更新本当に嬉しいです!みんなな優しさ、重岡くんの強さに泣けてきます…これからも楽しみにしてます! (2019年3月13日 23時) (レス) id: f7fd1c07dc (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - Minaさん» コメントありがとうございます!更新遅くなり本当にすみませんでした(TT)楽しみに待って頂けてすごく励みになっています!更新頑張ります! (2019年3月11日 22時) (レス) id: 54e4c975d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかん | 作成日時:2019年1月17日 23時

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