どんな景色でも君がいたから意味があったよ＊7＊

中間side ページ23

しげと望が入院して1週間後、望は退院できることになった。

しげはまだあかんみたい。


今日はしげの担当医に呼ばれて6人で応接室に集まった。



応接室に呼ばれると毎度嫌な緊張感がある。

でも、先生が僕らに見せたものに拍子抜けした。





桐「温泉・・・？」


ぽかんと口を開けたまま、照史が首を傾げる。



先生が見せてくれたのは、関西で有名な温泉特集の切り抜き。



濱「つまり・・俺らに温泉に行けと」

なぜか棒読みの濱ちゃん。

桐「・・・頭冷せと。」

ちょっと笑う照史。

望「温泉なんやから逆に熱くなるやろ。」

冷静なツッコミに、照史が鼻で笑う。



全員頭に？が飛んでて、しんとなって先生を一斉に見た。



先「いや・・・そういうことじゃなくて・・な？」


先生はその後、「これ見せたのがまずかった」ってぶつぶつ言いながら説明してくれた。



つまり、しげや望のために、自然の多い場所に出かけるといいってこと。

しげにとっては特に、少しでも症状を和らげる助けになるみたい。



もちろん体調がいい日にしか出かけられないし、遠出はできないけど、「みんなもリラックスできていいと思うよ」って先生は笑顔だった。




さっきとは違い、みんなで顔を合わせて笑う。



先「あ、でも何かあった時の対処は全員出来るようになってもらいたいし、連絡してくれれば近くの病院も紹介できるから。」


そう言う先生に「はーい！」と返事した。





部屋を出てから、まさかの提案にみんなでハイタッチ。



神「はよ、しげ喜ばせに行こ！」


「あいつめっちゃ喜ぶで〜」って、みんなでしげの部屋に急いだ。

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