中間side ページ16
桐「ん〜・・・・」
台本を読んでいたら、そんな声がして顔を上げると、照史が伸びをしてた。
照史はそのまま目の前の机にぱたんと倒れて、
そのまま目がぱちっと合って、照史が何回か瞬き。
桐「・・・膝枕、してあげてるん?」
寝起きの掠れた声で、ちょっと面白そうに言われる。
「ソファで寝たらって言うても聞かんかってん」
そう言うと、照史はしげを見つめて「ふうん・・・」って頷きながら微笑む。
桐「・・・汗、すごない・・?」
微笑んでた照史の表情が少しずつ変わって、心配そうに変わる。
膝の上で眠るしげの額からは汗が流れていて、息も苦しそうで。
でも、最近のしげは、眠るとほとんどこんな状態で、俺らは何もできず、ただ汗を拭いてあげることくらいしかできない。
桐「・・苦しいんかな」
「・・分からへん」
照史の問いには、誰も答えられない。
どこが痛いとか、どんなふうに辛いとか、
しげの口からは、俺らは聞いたことがないから。
聞いたって、「う〜ん、まぁそんなにひどないで」ってケラケラ笑うだけ。
でも、誰もいない時にふと見せたりする表情が、本当に辛そうなことは何度もあって、
何も出来ない自分たちがほんまに悔しくなる。
重「んん・・・・」
タオルで汗を拭いたからか、しげは寝返りをうつのと同時に目を覚ました。
重「・・・あ・・・ごめん・・」
寝ぼけながらも起き上がって、じんわりと汗でぬれてしまった俺のズボンを見て申し訳なそうに呟く。
重「・・ごめんな・・・、これ私服?衣装やっけ・・?」
そう言いながら焦ってタオルで拭くシゲ。
「いや、大丈夫やって。それよりよお寝れた?」
無理やり手を離させてそう聞くと、落ち込んだ顔のまま小さく頷いた。
重「・・やばい、汗だくや。ちょっと拭いてくる」
しげは時計を見て、自分を見て、のそっと起き上がった。
ス「おー、重岡君大丈夫・・?あ、淳太君ちょっと打ち合わせいいかな。」
すれ違いで入ってきたスタッフさんに頭を下げて出て行ったしげが心配やったけど、収録まで時間もない。
しげがしんどいならフォローするのは俺ら。
集中せな、と頭を振って台本に目をやった。
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みかん(プロフ) - Minaさん» コメントありがとうございます!本当に嬉しいお言葉を・・(/_;)ありがとうございます・・!楽しみにして頂けてるなんて本当に力になります!これからも頑張りますので読んでいただけると嬉しいです(;_:) (2019年5月2日 21時) (レス) id: 54e4c975d6 (このIDを非表示/違反報告)
Mina(プロフ) - 毎回とても楽しく見させていただいています。もう涙が足りません笑 これからもみかんさんのペースで無理せず頑張って下さい!応援しています! (2019年5月2日 1時) (レス) id: 03d2a96ad5 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - きいさん» コメントありがとうございます!(/_;)すごく嬉しいです。更新楽しみにしてくださっていると本当に力になります(;_;)まだまだの小説ですがこれからも読んでいただけると嬉しいです(^^) (2019年4月27日 20時) (レス) id: 54e4c975d6 (このIDを非表示/違反報告)
きい - いつも読ませていただいております!!ほんとに展開が読めなくて凄い面白いです!!しげちゃんとメンバーの葛藤に涙です、、これからの更新もすごく楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2019年4月26日 1時) (レス) id: 6e05395f6d (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - すぴんさん» いつも読んでくださり、本当にありがとうございます(T_T)移行が多くてごめんなさい(/_;)好きだと言ってくださって本当に嬉しい限りです!これからも頑張りますね! (2019年4月11日 23時) (レス) id: 54e4c975d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん | 作成日時:2019年4月10日 23時