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重岡side ページ42

先「最後やからな、曲歌って終わりにしよう!」

ホワイトボードに書かれた曲名に、動いて位置に着くと、先生は僕らを見渡した。



先「僕は、この7人、そして関西ジュニアのみんなに出会えたことを、誇りに思ってる。」


ーありがとう


先生は、泣いてた。


初めて見た涙に、照史君が俯いてしまって、僕も、また目の奥が熱くなって涙が流れた。





先生、

僕を成長させてくれてありがとう。


辛いことやってあったし、なんや、あの先生大っ嫌いや!って悔しかった日もあったし、

でも、先生のおかげで、今の僕がいる。



僕も、



これからは、”メンバー”って呼び合う大切なみんなのことを、

関西ジュニアの仲間を、

そして先生のことを、


誇りに思ってるよ。






もう何度もみんなで歌った曲。


たくさんのステージを、入れ替わりやってあったけど、大勢のジュニアでこなしてきて、



このメンバーで歌うことは、もうないのかもしれないけど、


本当に、特別だった。



舞台で長い時間を一緒に過ごして仲良くなった後輩もいれば、
話せてない子もたくさんいるけど、



これから、関西ジュニアを頼むで。


それから、大切な仲間を見つけてほしい。






曲が終わって前を見ると、先生はさっきより泣いちゃってた。




先「集合!」

先生は涙を思いっきり拭って、僕ら7人を1人1人見た。

先「これまで関西ジュニアを引っ張ってくれて、ありがとうな。

なんと言われようと、胸張ってデビューしろ。」

そんな言葉に、かろうじて出た「はい」って返事は、もう音にならなかった。


先「よし!じゃあ明日からも頑張っていくぞ!」

そう言って最後のあいさつ。


先「ありがとうございました!」

ーありがとうございました!





ー「忘れ物するなよー!」


ひとしきりみんなと話して、そんな声に慌てて部屋を出る。


レッスンでいつも履いたシューズをしまって、ロッカーに忘れ物がないことを確認して、

ふと、振り返る。



誰もいない部屋には、


たくさんの思い出が詰まってる。



ー「俺神山って言うねん、どっから来てるん?」

ー「そうや、重岡のこと、しげって呼んでええか?」

ー「お前ら4人は今日から7WESTや。センターは重岡、お前やぞ」




まだ、思い出とは言いたくない、数えきれないほどの時間。


もう、関西ジュニアとして二度と入れないこの場所は、



胸の奥を締め付けるほど、大切な場所。






特別な時間を、



本当にありがとう。

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作者名:みかん | 作成日時:2019年2月2日 23時

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