濱田side ページ13
4人が東京から帰って3日後のレッスンで、初めて7人がそろった。
でも、レッスンの雰囲気は最悪。
7人はいつも近くにいるのに今日はばらばら。
淳太君や照史が気を遣ってるのが分かるし、しげと望も、どう接すればええのか分からずに変な感じやった。
レッスンが終わると同時に神ちゃんは帰って、他のみんなも何の会話もせずそれぞれが帰っていった。
後輩もみんなぞろぞろ帰るのを見送って、レッスン室は俺1人になって、座り込んでスマホを取り出した。
宛先は淳太君。
メッセージを作りながらふと、誰もいないレッスン室を眺めた。
ー
淳「濱田君って言うんやんな?濱ちゃんって呼ぶわ」
淳太君がここでそう言って声をかけてくれたのは、もう何年前の話なんやろう。
年も近いし、地元も近くて話はすぐにはずんで、いつしかずっと一緒にいるようになった。
淳太君は頼れるお兄ちゃんって感じで一緒にいて安心した。
桐「濱ちゃんやんな!俺、桐山照史!」
照史は同期。
出会ったあの日も、元気いっぱいであいさつされた。
そういえば、ジャニーズに入って1番に出来た友達は照史やったっけ。
そんな僕に出来た、しげという弟。
会った頃は敬語使って「濱田君、濱田君」って着いてきてたのに、いつの間にか、「濱ちゃんのアホ―!」これや。
しげは底抜けの明るさでいつも俺らを笑わせてくれて、尊敬できるところもたくさんあって。
こいつは絶対に守ってやりたい。
そう、思った。
しげが紹介してくれた望は、初めは話す時も緊張しまくってたけど、
いつしか望はめっちゃ俺になついてるし、気付いたら背後に望がいるのなんて当たり前になった。
望は可愛いし甘え上手。
やけど空気を読むのが上手で、何度も僕らの空気をよくしてくれた。
4人は、選ばれて当然やと思った。
デビューしても、4人だけでもちゃんとやっていける素質があると本当に思った。
俺は、
4人のこれからを後押ししてあげたい。
だって、4人はこれからたくさんの夢を叶えて行ける。
そう、事務所側も、
俺やって、
確信してるんやから。
それなら、やるべきことは一つ。
メールの送信ボタンを押した瞬間、涙が頬を伝った。
心のどこかで、諦めたくないって思ってて、
でも、もう終わりなんやなって分かって。
ここで7人で過ごした時間は、宝物。
ほんまに、ありがとな。
これから、頑張っていくんやで。
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作者名:みかん | 作成日時:2019年2月2日 23時