どんな景色でも君がいたから意味があったよ＊4＊ (ページ29)

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重岡side ページ29

おとんがお風呂から上がって、遅い夜ご飯。

僕はもう食べ終わってたけど一緒に座った。

口数はいつもより少ないけど、少し和やかな雰囲気になって、

僕は膝の上に置いていた台本をぎゅっと握りしめた。

「あんな！報告あんねん！」

いきなり言うと、二人ともびっくりしてた。

「あのな、この夏、舞台決まってん。8月の3日から1カ月！」

僕の言葉に、二人とも、ぽかんとしてた。

でもしばらくぽかんとした後、

「ほんま！？」と口をそろえた。

「これ、予定表やねん」

配られた用紙を二人に渡すと、食らいつくように眺めてた。

母「・・！大ちゃん主演ってあるで！？主役なん！？」

父「え！？ほんまや！すごいやないか！！」

主演：重岡大毅

そんな僕の名前を何度も見ては、ものすごい驚く二人。

「稽古はもっと早くから始まっててんけど、正式に決まるまで言えへんくて」

そういう言葉も聞いているのかいないのか。

母「もー、疲れ吹っ飛んだわぁ」

父「ほんまやわ、元気でたな」

おとんとおかんがそう言って僕を見る。

父「これ、見に行ってええんか？」

そう言われて頷いた。

「大丈夫。正直言うとな、席もかなり減らされてるし、マネージャーさんにも、家族呼んでええでって言われたし。」

おとんとおかんは大喜び。

僕も、おとんとおかんの笑顔見たら、疲れも、嫌なことも、全部吹っ飛んだ。

お客さんがあんまり入らへんって聞いて、ちょっと悲しかったけど、

でも、

大事なおとんとおかんに見てもらえる。

それだけで幸せや。