重岡side ページ26
正式に決まったのと同時に、演技指導の先生の熱も加わった。
ちょっとでもできていなければ容赦なく叱られて、出来るまで何度もやり直し。
連日の稽古続きで疲れてた僕は、今日は朝から微熱。
それもあっていろんなシーンでミスを繰り返してしまった。
先「重岡！ちゃんとやれ！お前は主演やろ！？主演がダメだったら他が上手くても全部台無しになるんだよ！！」
同じシーンで何度もやり直しになった後、先生に怒鳴られた。
先「桐山や濱田の演技の上手さを、お前が潰してるんやぞ！？しんどいんか知らんが、病気やって甘えるな！！」
一生懸命練習してきた分、かなり応えた。
僕は、
病気やって、甘えてたんかな。
いつもならどうってことないけど、しんどいのもあって、気付いたら頬に涙が伝ってて慌ててぬぐった。
先「そうやって泣いてごまかすな！これだから病気の奴は・・病気なんて甘えや。
もうええ！今日の稽古は重岡なしでいくぞ！」
そう言われて思いっきり背中を押されて、どうしようもなくて外に出ようとした時、
桐「今の、訂正してください。」
そんな声がした。
振り向くと照史君が立ち上がってて、濱ちゃんと淳太君も立ち上がった。
桐「しげは、病気やって甘えてなんかない。俺はしげが病気を言い訳にしてるとこなんて、見たことない。」
神「そうやで！病気病気ってレッテルはってるんそっちやんか！」
神ちゃんが勢いよく言うのを、流星が止めていた。
淳「重岡は、演技はまだまだかもしれへん、でもそれを病気だから甘えてるって、言わんといてください。
しげは、ここにいる誰よりも一番頑張ってる。それは、僕らが一番よく知ってます。」
止まらなかった涙は、さっきよりも溢れて、
でも、この涙は辛い涙じゃなかった。
先「・・とりあえず、今から休憩や、ええか、後半ミスしたら出てってもらうぞ」
先生は僕がさっきより泣いているのを見て、表情を変えてそう言った。
休憩と言われてざわつく部屋で、6人が僕の所に駆け寄ってきた。
ぎゅっと抱きしめてくれる淳太君。
望「休憩になって良かった、しげ、熱あるんやろ？」
桐「え！？そうなんか！？」
神「しげ、泣かんでええよ〜、大丈夫やから」
涙が止められなくなった僕の頭を撫でたり背中をさすったり、
何度も、
「大丈夫やで」
って言ってくれる。
そういえば、
7WESTのセンターを任された時も、同じだった。
お前は1人やない、
俺らがおる。
そう教えてくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「病系」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みかん | 作成日時：2019年1月30日 0時
