重岡side ページ24
帰り道、いつの間にか眠っていたみたいで、起きたらおとんとおかんの部屋の布団の中だった。
手のひらには大きな絆創膏。
きっと、おとんがつけてくれた。
台所からは魚の焼けるいい匂いと、微かにおとんとおかんの話し声が聞こえてくる。
薬が効いてきて、さっきまでの吐き気も頭痛もかなり良くなっていて、
起き上がってリビングに行った。
母「あ、大ちゃん大丈夫・・？」
僕に気付いたおかんが走り寄ってきて額をさわった。
「大丈夫」
頷きながらそう言うと、おかんはほっとしてた。
母「釣った魚、焼いてるねんで？もうすぐ食べれるから。お父さんと大ちゃんにしては珍しく食べれる魚釣ってくれたから嬉しいわ」
なんて笑いながら言って、台所に戻るおかん。
リビングで食器を準備してたおとんは、僕見て「風呂入るか？」と尋ねた。
「おとん・・・ごめんなさい・・・」
素直にそう謝った。
「しんどかったらちゃんと言う」
これは小さい頃におとんとおかんとした、大事な約束。
それを破ってしまったのは僕。
父「大毅、もうええで。お父さんも、大毅の気持ち分かってあげられんでごめんな」
おとんは僕の前に来て頭を撫でてくれた。
父「また、行こな」
ポンッと頭を叩いて笑うおとんに、僕も笑顔になった。
「うん！そん時はもっと大きいの釣る！」
そう言うと、おかんが「それは期待せなな！」なんて笑ってた。
大きくなればなるほど、分かってくる。
おとんとおかんが叱ることは、
いつも正しいってこと。
いつも、
僕を思ってくれてるってこと。
僕も少しは、
成長したんやろうか。
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作者名：みかん | 作成日時：2019年1月30日 0時
