どんな景色でも君がいたから意味があったよ＊4＊ (ページ18)

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重岡side ページ18

いじめられてたこと、今まで誰にも話したことなかった。

ほんまは、誰にも言いたくなかった。

桐「ごめんな・・？言いたくないこと、話してくれて」

泣きじゃくって落ち着いた後、照史君は涙をごしごしふきながらそういって困ったように笑った。

「大丈夫やで」って言おうとした時、照史君の腕が伸びてきて、僕の頭をわしゃわしゃ撫でた。

桐「しげは、ずっと・・優しくて強い子やったんやなぁ・・・」

そう言って照史君は涙目のまま笑った。

桐「よお、頑張ったな、しげ」

もう、あれから何年も経ってるのに、

あの時のことを思いだすと胸が痛くなる。

悔しいのか、悲しいのか、よく分からんどんよりした気持ちになる。

また、耳が聞こえへんくなるんやないかって、不安になる。

でも、

頑張ったな

って言葉は、

悲しい思い出を溶かしてくれるみたいだった。

あの頃の僕に、もし声が届くんなら、

くじけたらあかんでって、言ってやりたい。

頑張って乗り越えたらな、

こんなにもかっこええお兄ちゃんに、

出会えるねんで。