どんな景色でも君がいたから意味があったよ＊4＊ (ページ17)

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桐山side ページ17

頷いたしげは背中から離れて隣に座り直して、ちょっと言いにくそうに俯いた後、しげは苦笑しながら僕を見た。

重「・・僕な？小学校の時、いじめられててん」

急に言われて、「え・・？」としげを見る。

重「それでな・・？僕も、照史君と同じ・・・耳、聞こえんくなった」

言いずらそうに、でも一生懸命笑った。

重「あの時言われた言葉は、ずっと消えへんくて、腹立つし、悲しいし。
照史君に言われた言葉も、ほんまに悲しかったし、言ってほしくなかった」

でも、としげが顔を上げた。

重「でも、あの時とは違う。照史君は、僕のこと大好きでいてくれてる。
僕もな、照史君のこと大好きやねん。
大っ嫌いな人と、死ぬまで一緒にいたいなんて思わへん。
僕は、照史君と、死ぬまでずっと、一緒におりたいねん」

最後にふふっと笑って、照れくさそうに頭を掻いた。

「ごめんな・・・」

何度も言ったその言葉は、今日も同じように震えてた。

「しげ・・ほんまにごめんっ・・・ありがとう・・・」

こんな僕を、許してくれて。

こんな僕を、大好きだって思ってくれて。

しげを抱きしめて泣きながら謝ると、

重「もう謝らんでいい」

って、しげの優しい手が背中をさすってくれた。

しげの優しさと強さに、

いったい僕は何度救われたんだろう。

冷えていた心は、少しずつ、温かさを取り戻していた。