智洋side ページ12
重「ほら、はよはよ!」
しげは僕の手を引っ張ってどんどん進む。
「なぁ、どこ行くん・・?」
今まで病室を勝手に抜け出したことなんてないから、周りをきょろきょろ見ながらそう聞いた。
重「ええとこ!!」
しげは振り返ってそう言うと、また僕の手を引っ張って歩き出した。
濱ちゃんに見つかったら絶対怒られるやろ・・・
重「みてー!!きれいや〜」
いつの間にか外に出てて、しげの足が止まったと思ったら、そこには大きな桜の木があった。
「わぁ・・・・」
でっかい桜の木から、ひらひらと花びらが落ちてくる。
上の方を見上げると、太陽の光がまぶしくて、
でも、めっちゃきれいで、
こんなん見たん、僕、はじめてかもしれへん。
重「ね?きれいやろ?」
しげが隣でうれしそうに言うのが聞こえたけど、返事もできずにただ桜の木を見上げてた。
そういえば、
外に出たんっていつぶりやろう。
いつからか、濱ちゃんが「外行こうや〜」って誘ってきても、断るようになってた。
こんなに太陽ってあったかいんや。
こんなに空気っておいしいんや。
重「よっしゃ!俺、この木のぼろ!!」
は・・・?
空を見上げて感動してたら、しげの声が飛び込んできて、理解するのに時間がかかった・・
けど。
「ちょ!待てって!!」
しげはすでに木に登り始めてて、慌てて止めに行った。
重「ええやんか!登りたいねんって!」
笑いながら言うしげの腕を必死に引っ張る。
重「そんなに引っ張ったらあぶな・・・・・・ぎゃっ!!虫やぁぁぁぁ!!」
「うおっ!!」
しげを引っ張ってたら、急に叫んでそのまま飛び降りたから、二人一緒に芝生の上に倒れこんでしまった。
ー「いったぁ〜・・・」
二人でハモって、しばらく目を合わせてたけど、
僕が吹き出したのと同時に、しげも吹き出して、何が面白いのか分からへんけど、転げながら笑った。
笑いながら見上げた空は、
ほんまにほんまに、今までに見たことないくらいきれいやった。
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みかん(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます!更新遅くてごめんなさい(T_T)ゆっくりですが頑張るので宜しくお願いします(>_<) (2018年5月13日 12時) (レス) id: ba926d0a9d (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 更新待ってます! (2018年5月8日 20時) (レス) id: f3797d31ae (このIDを非表示/違反報告)
もも - わかりました!待ってます(^^) (2018年4月11日 16時) (レス) id: d5d8a0239e (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます(>_<)楽しみにしてくださってるのに更新できずごめんなさい(/_;)頑張って更新するので待っててくださると嬉しいです(/_;) (2018年4月9日 4時) (レス) id: ba926d0a9d (このIDを非表示/違反報告)
もも - 更新よろしくお願いします!楽しみに待っています。 (2018年4月5日 15時) (レス) id: d5d8a0239e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん | 作成日時:2018年2月28日 22時