どんな景色でも君がいたから意味があったよ＊9＊

桐山side ページ5

「なぁ、なんかしげ・・・元気ないように見えへん？」


リハの合間、淳太君にそう聞いた。




濱ちゃんとしげ以外回りきったインフルも、みんな完治して、もう大丈夫やなって言ったのは今日の朝。



みんなの振りを見てるだけで椅子に座っているしげは、元気がないように見える。


ぼーっとして、なんか顔も赤い感じ。



「まさか、うつったとかないよな」


そう聞くと、淳太君は「う〜ん」と微妙な返事を返しながらしげを見つめたまま。


「いや、やってちゃんとマスクしてるし、消毒もしてるし」


焦って言うと、淳太君は「ちょっと聞いてみる」ってしげの方に行った。






淳「しげー、大丈夫？しんどいん？」



軽く淳太君が聞くと、しげはあからさまにビクッと体を揺らした。


でも、すぐに首を振って、


重「大丈夫やで、しんどくない」


そう笑う。


淳「ならええんやけど。せや、これ飲んどき？」



淳太君にスポーツドリンク渡されたしげは、「ありがとー」と弱弱しく笑う。




あれ、絶対大丈夫ちゃうな。

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