無限大パラメータ。〈∞〉

○ ページ41

あなたside




次の日。


昨日はイヤホンで音楽を聴いてたら
いつの間にか寝てたみたい。


手術は11時頃呼ばれる予定で、
朝から手術前の色んな処置があって…


手術中はたくさん点滴を入れるから、って
手の甲に太い点滴の針を刺されたときは
さすがに痛くて涙が出た。


朝ご飯を食べてなくても
不思議と空腹感は全くない。


手術の時間が近づくにつれて
だんだんとドキドキしてきて…



看護師「手術呼ばれたので

行きましょうか^^」


「あっ…は、はい…」



嫌だよー怖いよーって
子供みたいに騒ぎたい気持ちだけど、
そんなことできるはずもなく。


おとなしく点滴スタンドを押しながら
看護師さんの後ろについて行く。



看護師「手術に行ったら

安田先生に会えますから、

頑張って行きましょう！」



私の足がなかなか進まないのを見て、
看護師さんはそう励ましてくれた。




看護師「あ、ほら！

待っててくれてますよ？(笑)」


「…っ…(涙)」



手術室の前には安くんの姿。



安「Aちゃんっ！」


「…っ…安くん…っ…(涙)」


安「…もぉ、泣きそうなっとるやん(笑)

大丈夫やって！(撫」



もはや私たちの"ただの知り合い設定"は
どこへやら…


看護師さんも見てるのに、
ぎゅって抱きしめて頭を撫でてくれた。



看護師「…愛されてますねぇ(笑)」



看護師さんも、苦笑いじゃん…



安「ぜーったい大丈夫。

おれ、ずっと一緒におるし！」


「うん…(涙)」



安くんに会えたことで
さっきまでの緊張が少し和らいだ。



安「ほな中行こかー？」


「…っ…うん…(涙)」



安くんがきゅっと手を繋いで
一緒に手術室の中に入ってくれた。


手術室の中の看護師さんは
みんな明るくてニコニコしてて…


本当にこれから手術が始まるの？
ってくらい賑やかな雰囲気で
たくさん話しかけてくれたから、
びっくりするくらいリラックスできた。


準備してる間も安くんは
ずっと手を握っていてくれて
目が合うとマスクの下で
ニコって笑ってくれて。



安「…今から眠くなるお薬入れるからね。

大丈夫。またすぐ会えるから^^」


「…っ…うん…(涙)」



麻酔科の先生が、
点滴からお薬を注入したのが見えた。


口にもマスクをあてられて…



安「ぼーっとしてくるから、

無理しないで寝てもうてええからね。

ずっと傍におるから、大丈夫^^(撫」


「んっ…安くん…っ…(涙)」



安くんが頭を撫でてくれる感覚を最後に
私は意識を手放した…。

○→←○

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す